いもうともなきむし ページ28
「あの子…『泣き虫のA』が良い例だよ。
実際に君には聞かせられないような噂がたくさんある。僕もそれを信じてた。まあ今でほとんど嘘だとわかったけどね。
あの子が泣き虫のAだなんてびっくりしたよ。」
話を聞けば聞くほど、今の自分にはお姉ちゃんを助けるどころか、自由に会う事すらできないということを実感する。
自分の無力さに悔しくなる。
空が黒くなってくる。
「…とにかく、今動くべきじゃないってことをわかってもらえて嬉しいよ」
急に大人しくなった私を見て、慰めるようにそっと背中をなでてくれている。1人にしてほしい気持ちと誰かに頼りたい気持ちがせめぎ合いまた感情がぐちゃぐちゃになる。
そんな私を包むように段々と戦闘音が遠のき、白い霧が辺りを包む。
…白い霧?
標高が低いこの島になぜ?と思い顔を上げるとぽかんとした表情のお兄さんと、
「はいハンカチ、顔上げて。…ソレイユ。」
そう言って手をのばす、憧れの人がいた。
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=NOside=
「…失礼、お嬢さん。海兵たちはどうされた?」
「全員動けないようにしました。先程のように無闇矢鱈に銃を乱射することは暫くはしないかな。」
「じゃあこの街も暫くは安全か。救ってくれてありがとう、A。…妹とごゆっくり!」
そう言って男は物陰に隠していた高い背をぐっと伸ばして帽子を取って一礼し、歩いていく。
そっと彼から視線を外したAは、腰を落とし、先程とは違い真っ直ぐ妹の目を見つめ、ハンカチで涙を拭いながら言葉を絞り出す。
「…ふふふ、『泣き虫のA』の妹も泣き虫だね。ソレイユ。」
「えへへ、これでお姉ちゃんとおそろいだよ。」
そう言って互いの涙を拭い合う。
しばらくの間、静かだがとても温かい時間が流れるが、ポツリとソレイユが言葉を漏らす。
「…ずっとこのままだったらいいのになぁ…」
「うん」
「ずっとこうして、お姉ちゃんといっしょに遊びたい。ずっとお話してたい。ずっと続けたい。」
「…うん」
「…いっしょにいたい。」
再びソレイユの目から涙が溢れる。
実現が限り無く不可能に近いその願いは、どちらにとっても残酷だ。
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まっだこ(プロフ) - しーちゃんさん» コメントありがとうございます(人 •͈ᴗ•͈)楽しんで頂き嬉しいですやったー!これ見てめっちゃやる気出ました感謝です!! (2022年10月10日 21時) (
レス) id: 34c9deb42a (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん - いつも楽しませてもらっています！更新頑張ってください！ (2022年10月5日 19時) (レス) @page37 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます🙇更新遅くてすみません…たろ。さんの楽しみにねっていれば嬉しいです! (2022年6月19日 13時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年6月1日 14時) (レス) @page26 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ - みーさん» コメありがとうございますm(_ _)m私もエースの所は原作もアニメも号泣しました。この話は結構時間をかけて考えたので感動していただき嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2021年10月12日 21時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まっだこ | 作成日時：2021年8月10日 10時
