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「はぁ......。好きにしなさい」
結局、折れたのはAだった。
「ソロ曲はいいとして、『ユニット』曲はどうするの？ 零くんたちの曲に？」
「う〜ん。朔間先輩たち軽音部から提供してくれた曲もよかったけど......俺はやっぱり、朝霧先輩のがいいかな〜☆
みんなはどう思った？」
『ユニット』曲はどうするのか、という彼女からの問いかけに、素直な言葉を口にするスバル。
「そうだな〜。俺も、朝霧先輩のかな」
「僕も！ 軽音部の人たちには申し訳ないけど、朝霧先輩のほうが歌いたくなるっ☆」
「俺も、そうだな。みんなと同意見だ」
他の3人もAの曲を推(お)す。
「......わかったわ。じゃあどれにするか決めておいてくれるかしら」
もう諦めたのか。
何を決めようと、この子たちが『良い！』と思ったものを歌いたいといっているとわかっているのだろう。
Aは防音練習室の扉へと向かう。
「あれっ？ どこいくの、朝霧先輩？」
「『プロデューサー』としての、もうひとつの仕事を果たすのよ」
そう言って、防音練習室からでていった。
疑問に思う面々だったが、北斗のきちんとした指示に従いながら、Aのいないまま、曲選びを開始する。
「でも、やっぱりさすが『プロデューサー』って感じだよね、先輩」
曲選びをしている最中、唐突に真が口にした。
「だよねだよねっ。こんなキラキラした曲作れるなんて、ほんとにすごいや！」
寝転がりながら楽譜を手にもつスバルもまた、Aを褒(ほ)め称(たた)える。
「こんな曲なら、どの曲でも『S1』で優勝できちゃうよっ☆」
「いや、優勝までいくには俺たちの実力も必要になるぞ？」
大袈裟な発言をするスバルに口を挟む真緒。
真緒の言葉に、北斗も その通りだ と楽譜を手に言う。
「１週間でどこまで完成するかは不明だが、俺たちは、全力を出しきるしかない。
1%でも、勝利の希望があれば戦える。特攻だってできるはずだ。
命懸けで、俺たちは『S1』に勝利する」
他の3人を安心させるかのように、北斗は力強く宣言する。
「新曲は......朝霧先輩のこの曲は、その決意表明だ。俺たちの全身全霊を、生徒会に叩きつけてやろう。
俺たちの夢を、叶えよう。この暗く澱んだ夢ノ咲学院を、俺たち『Trickstar』が明るく照らすんだ」
天高く、世界を明るく照らすために____。
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作者名：白銀桜夢 | 作成日時：2018年2月10日 16時
