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翌朝。
3年B組の教室に一番乗りに入室したAは朝からお疲れのもようだ。
(迂闊だったわ...)
何やら朝一から不運なことが起きたのか。
(昨日、お風呂に入らずに寝落ちてしまうなんて...... まあ、運が良いことに今日はいつもより早くに目が覚めたし......)
運が良いのか、悪いのか...。
彼女は朝から急いで入浴していたために、少し疲れているらしい。
「...?」
窓側の席であるAには、窓から噴水広場が見える。
そこには、制服姿ではない誰かがいた。
(あれって...)
もう何周目なのかはわからないが、汗だくでも頑張って走り続けている真だった。
(早速、晃牙くんの鬼の特訓をしてるのね)
グラウンドの方へ走っていき、姿が見えなくなった真を見送って、Aはちらほらと登校してきた教室を見る。
(つまんない...)
机に腕を置き、顔を埋める。
視線の先には、“今は”誰にも使われていない机。
放課後。
最後の授業が終わるや否やAは連れ出された。
これを世では 誘拐 と呼ぶのだろうが、そう呼べるようなシチュエーションではない。
読者の皆様には理解できるであろうか。
犬と飼い主が共に散歩へ行く光景を想像してほしい。
犬が興奮して尻尾を振り回しながら飼い主の前を走っている。
もちろん犬にはリードがついているため、それを持っている飼い主は少々慌てながらも犬についていく......。
え?
理解不能?
ごめんなさい、語彙力が全くないのです。
これでも一生懸命説明したのですが...。
伝わらなければこのようなバカの言葉を理解できる語源IQを身に付けてください私のために。
話を戻します。
要はそのような光景です。
犬、明星スバルは、授業が終わると秒の早さでAの教室へやって来て、瞬時にAを発見。
そして確保。
そのまま手を引いてある場所へ向かう。
「......異様に教室に来る時間が早かった気がするのだけれど」
やはり彼女も不審に思うようだ。
「今日は早めに終わったんだ〜。先輩のクラスが終わるまでずっと扉の前で待ってた☆」
いつから扉の前にいたのだろうか。
彼女は率直にそう思った。
「...そんなに急ぐ必要はないはずよ。開始時刻までかなり時間があるんだから」
「う〜ん。あ、ほら。善は急げっていうでしょ?」
確実に今考えた言い訳だ。
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時