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「!?」
「ヤバイよ! 逃げないと...」
スバルが慌てて真と北斗に声をかけると、 ぐいっ と右腕を引かれた。
彼らが振り向くと、そこには姿勢を低くしている少年。
「!! 衣(い)...っ」
顔見知りのようだ。
赤紫色の髪、長い前髪をバレッタでまとめて額をだし、真と同じ緑色の瞳をした少年が、口に人差し指をあて しぃっ とジェスチャーをしているため、北斗は言葉を切った。
「く、くっそ〜っ! いつもながら横暴ッスよ生徒会! 【龍王戦】は伝統あるドリフェスなんスよ! それを認めず簡単に『ルール違反』とかで片付けるなんて断固抗議するッスよ!」
一方主催者側である鉄虎は、生徒会に指を差して意見していた。
「抗議するってどこに? この学院では僕たち生徒会が最高権力なの!」
しかし、生徒会には通用しない。
「____っ!」
桃李の言葉に言い返すことができない鉄虎。
「鉄、いったんひくぞ」
鉄虎の隣に立つ紅郎が言った。
「! で、でも大将!」
「あとで落とし前はつける。腹立たしいが...確かにルールを破ったのは俺たちだ」
納得のいかない鉄虎を短い言葉で説得させる紅郎。
「大神! どうにも水を差されちまった...。勝負はお預けってことにしてやる!」
「ちっ」
紅郎の言葉に 仕方がない とでも言うように舌打ちし、そっぽを向いた晃牙。
「生徒会か...。運が悪い...いや、時代が悪いのか。いつかこの流れが変わる日がくるといいがな...」
生徒会に背を向け、その場から立ち去る紅郎は静かに呟いた。
そんな彼の脳裏には、一人の少女が思い浮かんでいる。
(頼りにしてるぜ...____)
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時