crazy love (ページ10)

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中村side

ご飯を食べ終わり、2人ともお風呂に入って今は俺の部屋でゲームをしている

『あーっ。負けた、、海人強っ』

「まつくが弱いだけじゃないの？」

『いや、海人が強いだけ』

その後何回もしたけど、結局まつくが俺に勝てることは無かった

ゲームもそうそうに切り上げ今の時刻は23時

時間的にもこの状況的にも話す話題はただ一つだった

『海人は好きな人いる？』

「俺？」

『いないよ』

「そっか〜」

目の前にいるとか言えるはずもなく｢いないよ｣なんて言ったら
あたかも興味無さそうな返事に｢じゃあなんで聞いたんだよ｣と、言ってやりたくなる

「まつくは？」

『いるよ！』

食い気味に返事をしてきたまつくに驚く
好きな人、、いたんだ、、

『けどね、無理なんだ。俺にとってはその人が1番だけど、その人にとっては俺が1番じゃない。てか、1番なんかないんだよ』

少し遠回しの言い方に若干の違和感を覚えつつ、寂しそうに笑うまつくを抱きしめたくなる

「それって誰、、なの？」

聞いたところで、その人が誰かだなんてわかるはずも無いくせに
元太じゃないって言って欲しくてそんな事を聞く

『ん〜。、、、元太だよ』

しかし、まつくの口から出たのは俺の期待を裏切る言葉で、
その答えに対して返事が出来なかった

『元太ね、根はいいんだけど女の子大好きだからいつも違う女の子が隣にいるの』

まつくはその事を知ってるのにそれでも元太の事が好きなんだ、、

「まつくと元太はどんな関係なの？」

『ちっちゃい頃からの幼なじみ。俺がね困った時はずっと昔から守ってくれたの。今でも、、』

「だから、大好きなんだ」

『うん。ヒーローみたいでカッコイイ』

俺はきっと、まつくと元太の間に入れないんだろうなと嫌でも思ってしまった

長い間培ってきた2人の絆はきっと壊せるはずがない
だから俺の思いなんて、、

「そろそろ寝よっか」

『うん』

シングルサイズのベッドに男2人はキツかったけど
まつくに触れておけるならそれで良かった

今日だけは
元太のこと考えずに俺のこと考えてよ

そんな俺の気持ちはまつくに届くはずもなく
俺もそっと目を閉じた