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中村side
『めっちゃ楽しかったね〜』
あれからイルミネーションを見たり買い物をしたりしてまつくとの時間を過ごした
「もう夜か〜」
『家帰りたくないな〜』
「じゃあ俺ん家来る?」
俺がそう聞けばどうしようかななんて笑いながらルンルンと俺の横を歩くまつく
『ん〜、やっぱ行ってもいい?』
「いいよ」
『じゃあ、ケーキ買って帰ろうよ』
ケーキ屋さんを指さしながらそう言ってくる
俺がいいよって言うと目をキラキラさせながら喜ぶまつく
その横顔を眺めながらまつくのこの笑顔が失われないことを祈った
それからケーキを買って電車に乗り、俺の家を目指してのんびりと歩き始めた
『なんか住宅街って感じがして好き』
「そう?」
まつくの変な価値観に戸惑いながらも他愛のない話を繰り返す
普通に話しているだけなのにそれがとっても幸せで、
永遠と続けばいいのにと思った
もうすぐ俺の家に着くくらいの出来事だった
近くにあるしめの家。
しめの部屋があるところを見上げれば、誰かがベランダに出ていた
しめ、、、ではないよな?
俺があまりにも上を見上げすぎていたのかいつの間にかまつくも同じ方向を見ていた
『あれ、、めっちゃ元太みたい』
「え?」
確かに目を凝らして見てみると確かに元太みたいなシルエットだった
しばらく動かずに元太らしき人の様子を見ていると、
ベランダのドアが開き、誰かが出てきた
あれって、、、しめ?
その時かすかに聞こえてきた元太と呼ぶ声
その声が聞こえてきた後に、ベランダにいた男の人が後ろを向いた
次の瞬間
2人の唇が重なった
『あっ、、、、』
隣からバサッと言う音が聞こえ、まつくが持っていたケーキがぐちゃぐちゃになって下に落ちていた
『っ、、、』
1度離れた2人の唇がもう一度触れ合う
ただ触れるだけのキスからだんだんと深いものに変わっていき、ついには元太がしめをお姫様抱っこして室内に入っていってしまった
隣のまつくを見ればただ呆然と2人が消えてった部屋を見ているだけだった
「まつく、、」
俺がそう呼びかければ
『あっ、、、、なんで、、、』
放心状態のまつくの目から涙がこぼれ落ちた
まつくは元太が好きだと言っていた
そりゃ、、好きな人が他の奴とキスするとか辛いよな、、
「まつく、、大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか俺にも分からなかったけど、ただひたすらにそう言いながらまつくを抱きしめた
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作者名:妃愛 | 作成日時:2021年7月23日 16時