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中村side
「お先に失礼しまーす」
宮「じゃーな!」
宮近さんに声をかけ店を出る
もうすぐクリスマスということもあり賑わっている街
陽気な音楽、様々な色に光るイルミネーション
そして、、
あちらこちらでイチャついているカップル、
あまりにもイチャイチャしていて、見てるこっちが胃もたれしてくる
早くこの空間から抜け出そうと早足でいつもの場所へと向かう
いつもまつくがいる場所は、人通りが少なくて
俺とまつくの2人だけの世界みたいで居心地が良かった
だけど、、
「いないか、、」
まつくがいつも座っている場所に人の姿はなかった
まつくだってそんな毎日毎日来るはずない、、よね
さっきの胃もたれからか分かんないけど、少しムカムカする
少し休んで帰ろうとそこに腰をかける
いつもまつくはここで何をしているんだろう
初めて出会った時は、ギターを引いていた
その次はただ座ってただけだった
そう言えば高校とか行ってないのかな、、
同い年だと思ってたけど、何歳なんだろう
俺、全然まつくのこと知らないじゃん
でもきっと何を聞いても笑って誤魔化されて、何も聞けないまま終わるんだろうな
『あれ? 海人?』
声のした方を向けば、俺が会いたがっていた人の姿が見える
「まつく、、」
『めっちゃ久しぶりじゃん。俺、海人に会えなくて寂しかった』
「色々あって、、」
『もしかして、しめのこと?』
「え、、しめ、、?」
なんでまつくがしめの事を知ってるんだろうか
えっ、、なんで?
『なんかこの前電車であって、、話した』
「しめと?」
『うん。彼氏さんと上手く行ってないって、、。大丈夫だったの?』
「うん。2人ともお互いが納得する形で別れたよ」
『えっ、別れたの?』
「うん」
空港から帰ってきたしめはやっぱり大号泣だった
だけど、閑也も頑張るから俺も邪魔できないと諦めることを心に決めたらしい
それからは、学校をちょくちょく休むようになったけど頑張って前を向こうとしているって感じかな、、
そして、閑也からも電話があり
あんなに泣きそうになりながら笑って見送ってくれたしめに申し訳ないと言いつつ
しめに恋人ができるまで海人が守ってやってと言われた
閑也もしめも、、お互いにお互いの事を思いやってほんとにすごいいい関係だなと思った
『でも、2人が幸せならいいよね』
「うん」
ただ、この2人の別れが物語を大きく分ける事を俺はまだ知らなかった
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作者名:妃愛 | 作成日時:2021年7月23日 16時