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中村side



閑「そろそろ、ご飯食べね?」


閑也のその言葉で俺らはフードコートに向かう

遊園地に訪れてすぐにジェットコースターに乗りたいだのコーヒーカップしたいだの言うしめのわがままに付き合っていた

さすがの閑也でもこれらのしめのわがままに疲れ果てているようだった


龍「次何する?」


ご飯を食べ始めてそうそうにそんなことを言い出すしめに閑也と俺の顔に苦笑いが浮かぶ

こいつ、疲れ知らずも程々にしろよ

そんな俺の気持ちも知らずに無邪気に園内の地図を見てはしゃぐしめ

その様子を優しい顔で見守る閑也

そんな2人の様子を俺は微笑ましい気持ちで眺めていた


龍「ねぇ、観覧車乗らない?」


地図からぱっと顔をあげたかと思えばそう言い始めるしめ

きっと二人っきりで乗りたいのだろう


「いいじゃん、2人で乗ってきなよ」

龍「海人はいいの?」

「俺のことは気にすんな。2人で行けよ」

龍「ありがとう〜。しず行こ!」

閑「おう」


しめに手を引っ張られながらついて行く閑也

さて、残された俺はどうしようか

そう考えながら食べ終わったご飯を片付ける
あいつら、昔からこういうやつの片付けを俺にさせてたな

いや、俺が2人をくっつけさせるために、先に2人を行かせてたのか

懐かしいな。しめと閑也が付き合ったあの頃

両片思い的な、むず痒い関係で

双方からの相談を受けていた俺は2人を引っつけるのに必死だった

しめと閑也が付き合ったあの日

しめが泣きながら付き合えたよって報告してくれたんだっけ

2人の幸せそうな笑顔が今でも脳裏に焼き付いている


「幸せになって欲しい」

それが俺のただ一つのあいつらに対しての思いだった

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作者名:妃愛 | 作成日時:2021年7月23日 16時

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