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漆拾漆 ページ37

「まだ分からないのか!攻撃を続けるということは、死を選ぶということが!杏寿郎っ、翔閃っ!」


二、三撃、避けては受け止めいなし隙をつきを繰り返す。
猗窩座が炎柱へ突きを出そうとするのが見え、俺は咄嗟に炎柱を蹴り飛ばす。


「よく見てるなぁっ!」

「炎の呼吸、壱ノ型 不知火!」


戻ってきた炎柱が、横薙ぎに一閃すると猗窩座の両腕が斬れどこかに飛んで落ちた。
だが、瞬間的に生える腕。
そのまま猗窩座は、連続的に拳を打ち出す。


「ここで殺すには惜しい!お前たちはまだ、肉体の全盛期ではないっ!」


疲弊し始めている炎柱の動きが、鈍り始めた。
まずい…っ!
猗窩座が腹に一撃入れようとするのを見て、俺はまた炎柱を蹴り飛ばす。


「邪魔をするな、翔閃!」

「とことん邪魔してやるよっ!」


今度は俺と猗窩座が、斬り合う。


「弐ノ型 昇り炎天っ!」

「壱ノ型 塵旋風・削ぎぃぃぃっ!」

「一年後、二年後には更に技は研磨され、精度も上がるだろうっ!」


大きく振りかぶった左手を、炎柱は刀で受け止めた。
その隙に、俺が横からその伸びてる左腕を車輪の如く回転しぶった斬る。


「参ノ型 気炎万丈!」

「陸ノ型 黒風烟嵐!」

「肆ノ型 盛炎のうねり!」

「弐ノ型 爪々・科戸風!」


猗窩座と距離が開いた。
くる…っ!


「破壊殺…」

「伍ノ型……炎虎っ!」

「乱式ぃっ!」

「参ノ型 晴嵐風樹っ!」


俺は攻撃出来る機会を窺いながら、炎柱の支援に回る。
猗窩座に届きそうなのは、俺より炎柱の刃だ。
守れ…何がなんでもっ!


「杏寿郎っ!翔閃っ!」

「はぁぁぁぁああっ!」


炎柱の横薙ぎに、猗窩座が一旦距離を取った。
戦いの中の静けさ。
嫌な予感が膨れ上がる。


「もっと戦おう、翔閃。死ぬな、杏寿郎。」


疲弊している炎柱は、呼吸を整えるのに手一杯になりつつある。
二度、怪我に繋がる攻撃は俺が回避したから出血こそしていない。
押し切ればいける。
無理だとしても、太陽さえ味方に付ければ撤退はするはずだ。


「生身を削る思いで戦ったとしても、全て無駄なんだよ杏寿郎、翔閃。お前たちが俺にくらわせた素晴らしい斬撃も、既に完治してしまった。だが、お前たちはどうだ?砕けた肋骨、傷ついた内臓。もう取り返しがつかない。鬼であれば、瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ。どう足掻いても人間では鬼に勝てない。」


炎柱の闘気が、膨れ上がった。


「杏寿郎…お前…」

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年5月4日 21時

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