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「あーぁ、行っちゃった。」
「まったく、あの女3人はどうしようもねぇな……」
「…1人、野郎混じってるっつーの。ところでよー、俺達急いでんだよ。」
「このドックを開けてもらえると助かるんだが、コンテストの責任者はいったい誰なんだ?」
そうカミュが聞けば男は、主催は町長だと言ってきた。
人格者だから直接会うことを勧められ、男から屋敷の場所を教えてもらった。
「よし、ここの町長に会ってドックを開けてもらうよう直接掛け合ってみようぜ。」
「すんなり行けばいいけどなー。」
「ゼク、嫌なこと言わないでよ。」
ゼクはイレブンをはいはい、と適当にあしらい先頭を歩くカミュに続いて歩き出した。
───
「ここか?」
「ああ、町長の家で間違いなさそうだな。」
ドックとは対格的な位置にあった町長の家の扉を、カミュが4度ノックをした。
扉の向こうから男の子声が聞こえたと思うと、扉が開かれる恰幅の男が現れた。
「あんたがラハディオさん?少し、頼みたい事があるんだ。」
「ええ、私が町長のラハディオです。いったいどういうご用……」
町長は言いながらカミュ、ゼクと見てイレブンへ視線を向けた。
すると、何かにハッ、として話すことは何も無いから消えてくれ、と友好的な態度から一転して扉を閉めて一方的に突き放してきた。
「えっ?おい、ちょっと!」
「んだよ、アレ。取り合ってくれるどころか、態度がマヒャドだぞ。どこをとったら優しい人になるんだ?」
「というかあの町長、イレブンを見て妙なカオしたよな。」
「まさか、僕がお尋ね者なのがバレた…とか?」
3人が頭を捻っていると、露店巡礼をしていた裏切り者のスイーツ大好きセーニャちゃんがやってきた。
「あっ、イレブンさま、カミュさま、ゼクさま!こちらにいらしたんですね。」
「どしたー?つか、ベロニカとシルビアは?」
ゼクがそう聞くと、セーニャは3人に助けを求めてきた。
町長は取り付く島もなく船も出せそうに無い為、盗賊の提案で3人は女僧侶の道案内で事件現場へと向かった。
───
連れてこられた場所で、ベロニカは町の子供と言い合いをしていた。
「ちょっと!返しなさいよ、あたしの杖!アンタみたいな子供が、このベロニカ様の杖を使おうなんて100年早いわよ!」
「お前だって、ガキじゃねーか!ちょっと借りるだけだって、言ってるだろ!?」
「あ、あの男の子…」
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年4月1日 23時