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「炭治郎!!」

「禰豆子ちゃーん!!」


廊下で待たされていた嫁三人衆と合流して、俺は師範たちと共に炭治郎の病室へとやってきていた。
そこには、妹の禰豆子はもちろんだが何故か、伊之助と善逸がいた。


「…来ないと思ったよ。」


炭治郎の足元で寝ている二人を見て、俺は思わず苦笑いを零した。


「フラれたな、紫音。」

「Going my way する師範に言われたくない。」

「どーいう意味だコラ!」


揶揄ってきた師範に、異国語を織り交ぜて言い返せばこめかみに青筋が出来上がる。
それを見て見ぬふりをして、俺は窓に背を向け寝台に伏せて寝ているタンポポ頭へと近づく。


「炭治郎、明日には静養終えて家に帰るんだって?」

「先に私たちのうちにも遊びに来てくださいよお!!」

「馬鹿デカイんだよ、アンタの声が!!」

「いやあっ!!まきをさんがぶったあ!!」


声を張った須磨を、まきをが器用に禰豆子の視界を塞ぎながら制裁をくわえていた。
打たれたことを師範に告げ口する須磨だが、関わりたくないのか面倒なのか師範はすっとぼけてぼんくら呼ばわりされている。
その光景がいつも過ぎて、俺は呆れた。


「落ち着いたら、遊びに来てね?これ、うちの住所とお土産のお菓子。」

「わー!ありがとうございます!」

「別に教えなくても、俺知ってるのに。」

「そうもいかないでしょ?いつも一緒にいるわけじゃ、ないだろうし。」


それもそうか。
雛鶴の言葉に、納得して俺は寝台に腰をかける。
気持ちよさそうに寝続ける善逸の髪を、徐に指で梳けばくぐもった声が漏れ聞こえてきた。


「こんにちは!父上、早く早く!ねえ!」

「ああ…」

「あっ!千寿郎君、槇寿郎さんっ!」


出入口に視線をやれば、千くんに引っ張られる様に父親が姿を現した。
バツが悪そうに遠慮気味に入って来た父親を、師範が遠慮するな、と手招き寝台横へと促す。
千くんはまるで兄に再会したとでも言うように、炭治郎へと抱きついている。


「ご無沙汰してます!」

「ああ…息子の…杏寿郎の鍔をつけて戦ってくれたそうだな、ありがとう。あの子もきっと喜んでいると思う。」

「そんな!!俺の方こそ、どれだけ杏寿郎さんの言葉に励まされたか…感謝しています!」


心を燃やせ



今でも思い出せる。
真っ直ぐな眼差しと、熱い心を。
離れる前に、親友に挨拶に行かないとな。
そう、思いながら善逸の髪を再度梳く。

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夜月銀桜(プロフ) - 一気読みしました…2人の関係大好きです! (1時間前) (レス) @page22 id: 4ba1a8817b (このIDを非表示/違反報告)
春月是駒(プロフ) - おいもさん» ありがとうございます! (10月28日 8時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
おいも - おもしろい!頑張ってください (10月27日 18時) (レス) @page10 id: a2ba9c7e56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年10月19日 14時

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