音の継子は我妻善逸に過保護4 (ページ2)

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｢爺ちゃんはっ！！一人で腹を切ったんだっ、介錯も付けずにっ！｣

普通になら、介錯人を付けて腹を切る。
苦しまないよう、腹を切ったのを見届けて介錯人が首を落とす。
けれど、爺ちゃんはそれをしなかった。
苦しんだと思う。
喉や心臓を自分で突けば、また違ったのかもしれないけど。
なんでかって…

｢雷の呼吸の使い手からっ、鬼を出したからだぞ！！｣

｢知ったことじゃねぇよ…だから？何だ？
悲しめ？悔い改めろってか？

俺は俺を評価しない奴なんぞ、相手にしない。
俺は常に！！どんな時も！！正しく俺を評価する者につく！
爺(じじい)が苦しんで死んだなら清々するぜ！
あれだけ俺が尽くしてやったのに、俺を後継にせずテメェみたいなカスと共同で後継だと抜かしやがったクソ爺(じじい)だ。

元柱だろうが、耄碌した爺(じじい)に用はないからな！｣

言いたい放題言ってアイツは、下品に笑った。
腹が立って仕方ない。
そのせいか、俺の手に力が入ってギチギチ小さな音を立てる。

｢……フッははっ。爺ちゃんは耄碌してねぇよ。｣

そう、爺ちゃんが悪いんじゃない。

｢俺がカスなら、アンタはクズだ！壱ノ型しか使えない俺(・・・・・・・・・)と(・)壱ノ型だけ使えないアンタ(・・・・・・・・・・・・・)。後継に恵まれなかった、爺ちゃんが気の毒でならねぇよ。｣

｢テメェと俺を一緒にすんじゃねえ！！！｣

アイツは怒りに任せて、背中の刀を抜いた。

｢雷の呼吸肆ノ型、遠雷っ！｣

けど、俺はそれを見切る。
すれ違い、俺は後ろにいるアイツを見やる。

｢おせーんだよ、クズ。｣

見えてなかったらしく、俺に斬られた事で音が乱れた。
けれど、顔に血管を浮き立たせている。

｢死んで当然なんだよオオ！！爺(じじい)もテメェもォオ！！雷の呼吸弐ノ型、稲魂！！｣

俺の知る弐ノ型じゃなかった。

｢善逸！｣

殺られる、と思ったのか紫音が俺を呼ぶ。
殺られてたまるか、こんな奴に。
五連撃の攻撃をなんとかいなしたりするが、対応しきれずに俺の左頬が斬れた。

｢大勢の人を喰ったな、もう善悪の区別も付かなくなったんだな？｣

｢善悪の区別は、付いてるぜ！！参ノ型、聚蚊成雷！！｣

アイツは言う。
正しくアイツを評価して認める者が"善"だと。
低評価で認めない者が"悪"だと。

そんなアイツは、回転しながらの波状攻撃を俺へとぶつけてくる。