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135´ ページ1

大好きな人や大切な人は漠然と

明日も明後日も生きてる気がする

それはただの願望でしかなくて

絶対だよと約束されたものではないのに

人はどうしてか

そう

思い込んでしまうんだ


「いるんだろ、出て来い。」


歪な日本家屋を進んできて、俺は何枚目か分からない障子を開けて足を止めた。
それは隣を走っていた紫音も同じで。


「そこにいるのは分かってる。」


音がする方を睨んで、そう声を掛ければ口の利き方がなってない、とダメだしをしながらソイツは襖を開けた。
どの口が言う。
恩を仇で返す様なこと、しやがって。


「兄弟子に向かって。少しはマシになったようだが…」


色は黒く変色し、鋭利に尖った爪を持った指先が襖を掴んで開けた。
見知った姿。
けれど、その瞳には"上弦"と"陸"の文字。


「相変わらず貧相な風体してやがる、久しぶりだなァ善逸。それに…まだソイツといるのか鏡月。お前もこっちへ来たらどうだ?」

「獪岳。鬼になったお前を、俺はもう兄弟子と思わない。」


コイツ、紫音を鬼に勧誘してやがる。
ふざけるな…っ!
俺から爺ちゃん奪っただけじゃなくて、紫音まで奪おうとしてるなんて。


No thank you.(御免こうむるよ。)勧誘(Solicitation)しても無駄だよ。期待しないほうがいい。」


紫音がそう言って切り捨てれば、アイツの表情が一瞬。
ほんの一瞬、歪んだ気がした。


「誰が期待するかよ…ってか、変わってねぇなぁ。チビで、みすぼらしい。軟弱なまんまでよ。柱にはなれたのかよ?なぁ、おい善逸。壱ノ型以外、使えるようになったか?」


アイツは俺を煽ってるようだけど、それに反応したのはいつも俺を守ってくれてる紫音だった。
俺の前に出ようと動いた紫音を、俺は大丈夫、の意味を込めて片手で制した。


「適当な穴埋めで、上弦の下っ端に入れたのが随分嬉しいようだな。」

「へぇ……ハハッ!!言うようになったじゃねぇか、お前…」

「なんで、鬼になんかなってんだ?」


ずっと疑問だった。
なんで、コイツが…


「ははっ、お前には…」

「雷の呼吸の継承権(・・・)持った奴が、何で鬼になった!」


我慢の限界は、ゆうに超えてた。


「アンタが鬼になったせいでっ!爺ちゃんは腹切って死んだ!!!」


チュン太郎が持ってきた手紙を読んで、おかしくなりそうだった。
紫音がいなかったら、ホントどうなってたことか。
それでも、涙はまだ枯れてないらしい。

136´→



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夜月銀桜(プロフ) - 一気読みしました…2人の関係大好きです! (1時間前) (レス) @page22 id: 4ba1a8817b (このIDを非表示/違反報告)
春月是駒(プロフ) - おいもさん» ありがとうございます! (10月28日 8時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
おいも - おもしろい!頑張ってください (10月27日 18時) (レス) @page10 id: a2ba9c7e56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年10月19日 14時

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