検索窓
今日:58 hit、昨日:15 hit、合計:3,348 hit

132 ページ47

滝修業を終え、丸太担ぎもなんだかんだ完了した。
それは善逸も同じで、気付いた時には上裸になってたよ。


「無理っ!押せるか!こんなもん!!!」


善逸が投げ出したくなる気持ちも分かる。
師範にみっちり扱かれて、足腰鍛えてきた俺ですらビクともしない。
やめたい、と思ったら、師範には竹刀で指導された。
だけど、悲鳴嶼さんの場合はその辺は優しい。
過酷ではあるが、強制ではない。
やめたいと思ったら下山してもいいことになっていた。


「俺、今回の訓練で気づいたわ。今の柱たちがほとんど継子いない理由。」

「何ですか?」


先輩たちは言う。
修業が辛すぎて逃げてしまう、だとか。
善逸の様に、柱との違いに打ちのめされて心折れたり、だとか。


「こういうのを当然の様にこなしてるんだろ?鏡月。」


唯一の継子である俺に、村田が視線を向けてきた。
おにぎり(ライスボール)を口に入れようとしていた俺は、口を開けたまま止まった。


「鏡月さん、そうなんですか?」

「いや?別にここまで過酷じゃないけど?」

「え?え?例えば、どんな?」

For example?(例えば?)みんなやったんじゃん。」


そう言うと、みんなが俺を見ていた。
半眼で。
他にもあるけど、これ以上俺が心を折るのも違うと思うから口を閉じる。


「はぁ…柱ってやっぱすげぇわ。」

「そうですね……」


それに一つ頷いて、俺も同意した。
持ったままだったおにぎり(ライスボール)を、一齧りして咀嚼する。


「ん…炭治郎のご飯(ライス)very tasty,right?(凄く美味いよね。)

「え?」

「鏡月、頼むから日本語で話してくれ。」

「ん?あぁ、ごめん(ソーリー)。炭治郎、凄く上手いよね。」


おにぎり(ライスボール)を顎で指し示しながら言えば、村田が魚焼くのも上手いよな、と付け足してきた。


「俺、炭焼き職人の息子なんで!料理は火加減!」

I see.(なるほど。)


いい嫁になれるね。
なんて、思いながら手の中に残ってるおにぎり(ライスボール)を食べ進めた。


「んん…紫音、らめ……ぇ。」

「善逸?」


善逸の声と炭治郎の視線で、俺も自分の膝へ視線を落とす。
いつの間にか寝ていた善逸。
悩ましげな表情で、寝言を言ったらしい。


What kind of dream are you having?(どんな夢見てるの?)……今の、記憶から消してね?」


俺だけが見ていい善逸は、忘れてもらわないとね。

133→←131



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.3/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。