128 ページ43
復活した実弥が地面に手をつけて、足をブンッ、と振る。
さながらカポエラだ。
炭治郎はそれを躱したが、相手は風の呼吸の使い手の風柱。
どうやら鎌鼬で、耳を切ったらしい。
「いい度胸ォしてるぜテメェはァ…死にてェようだからお望み通りに殺してやるよォ。」
「待ってくれ兄貴!炭治郎は関係ないっ!」
そう声を上げた実弥の弟くんの手を、善逸が掴んだ。
俺は弟くんを背後から追い立てるように、走るよう促す。
「誰だお前ら!手ぇ、放せ!」
「揉めてる人間は、散らすといいんだって。
「はぁ!?」
「紫音っ、異国語!てかアレお前の兄貴かよ!?完全に異常者じゃん、気の毒に……」
走りながらそう善逸が言うと、弟くんは兄を侮辱するな、と実弥の様に目を血走らせて殴りかかった。
善逸へ当たる前に、その拳を俺は掴んだ。
「善逸、それは言い過ぎだよ?侮辱したのは謝るけど、
この瞬間、俺は思った。
似たもの同士の兄弟だなって。
───
あの後はもうグダグダのグチャグチャ。
夕暮れまで大乱闘。
日が明けた今日。紫衣奈を回して、御館様からのお叱りを俺は受け珍しく俺はしゅん、としていた。
紫衣奈はため息をついてから、次の稽古場へ向かう様言ってきた。
それを言うなり、紫衣奈は静かに飛び去った。
やらかしたなぁ、と自己嫌悪と反省をしていると廊下から襖越しに声が掛けられた。
「オイ…少し、いいかァ?」
音で分かってはいたけれど、声を聞いて実弥だと確信した。
襖を開けて中へと入れると、実弥は罰が悪そうに視線を外したまま謝ってきた。
「……悪かったな。」
「いや……俺こそ、
「……私情に流されるなんてなァ、柱失格だな俺。」
「何も言わないよ。俺だって、そうだから。」
そう、何かを言えた口じゃないんだよ。
荷物をまとめて、一応世話になった事に礼を言う。
「オゥ、お前ならいつでも見てやるからよォ…その、なんだ。また、来いよォ?」
「ん、
そう言って部屋を出れば、別の部屋に寝泊まりしていた善逸と炭治郎と合流した。
「
「あっさりしてんのな。行くけどさ。」
「善逸、今の分かるのか!?」
悪かったね。
善逸と師範たち以外は、どうでもいいんだ。
淡白にもなるよ。
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時