音の継子は我妻善逸に過保護3 (ページ37)

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愛と汗に塗れた体を温泉で流し、俺は左頬に平手の痕を刻まれた。

｢俺は悪くないと思うけど？｣

｢はいはい、俺が悪かったですよ。すいませんね、混浴混浴しつこくて……そういう紫音だって、宇髄さんに言われた時興奮してなかった？｣

｢それは…｣

言えない。
言えるわけが無い。
愛してるのは善逸で、そういうことしたいと思うのも同じだけれど。
両刀だということを、善逸に言えるはずもなかった。

｢その場の、勢い…というか？｣

｢いや、聞くなよ。｣

呆れた音をたてながら、善逸はため息をついた。

｢それで…俺たちは宇髄さんからお墨付きもらえたわけ？｣

｢ん…伊之助と一緒に次に行けって言われたよ。｣

｢一緒に、ね。｣

湯面が揺れて、善逸の肌が見え隠れする。
その度に、付けたばかりの鬱血痕(紅い花)と噛み跡が目につく。

｢…痛そう。｣

｢本人が言う？それ。｣

ザバッ、と立ち上がった善逸。
温泉のおかげか、腰を痛がる素振りは見せなかった。
それだけでも、罪悪感は薄れていった。

───

霞柱の稽古場をそれなりの日数でお墨付きをもらい、俺と善逸、伊之助は恋柱の蜜璃の稽古場へと進んでいた。
そこでは何故かレオタードを着せられた。
サイズが合う合わないの前に、股間にくい込んで俺のシンボルの形が浮き出たんだよね。
おかげで善逸が大騒ぎ。
俺以上に、見るな！、って騒いでたよ。

｢本っ当にごめんなさいっ！！！｣

｢いや、もういいよ…｣

桜餅カラーの頭を、直角に曲げて謝り倒す蜜璃。
そうじゃなくても見えるのに、そんなことするといつも以上に見えるんだよね。
豊満な乳房の谷間が…

｢痛(いて)っ。｣

｢蜜璃さん、ありがとうございました！｣

善逸に視線の先がバレたらしく、腰をバシンッ、と叩かれた。
その後すぐ、善逸が勢いで礼を言ってた。

｢それにしても善逸、すごく必死だったね。恥ずかしいのは、俺のはずなのに。｣

｢紋逸、むらさきが恥ずかしいとか関係ねぇだろ。なんでだよ。｣

｢べべべべ別にっ、おおおおお俺が気にしたっていいだろ！？｣

｢見られたって減らねぇだろ。なぁ、むらさき。｣

｢Haha…俺の精神(メンタル)が減るよ。｣

｢は？｣

真っ赤な善逸を引き連れて、笑って誤魔化す俺が通るよ。
後ろから猪がなんか言ってくるけど、聞こえない。
ちょっと待てって言われて、待つ人間はいないって。

───

2023.10.3
加筆修正しました。