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「師範!!」
「宇髄さん!!いや、宇髄様!!!!!!!!!天元様!!!!!!!!!!」
「近ぇよ!!」
鼻息荒く、善逸に至っては血走った目で師範に迫ったからか、煽った本人は身を引いていた。
「で?やんのか?やんねぇのか?」
「もちろん、やらせていただきます!!!」
「
興奮して叫ぶ善逸と、興奮で異国語を早口で喋る俺。
今なら師範に、神と呼べ、と命令されたらその通りに呼んでしまいそうだった。
「善逸、顔だらしないよ?」
「そういう紫音だって、鼻の下伸びてるけど?」
互いの顔を見て、指摘されて互いに気付く。
途端、善逸はあの昨夜見せたムッ、とした表情を見せる。
「つか、紫音。なんで、女の子の裸とかで興奮してるわけ?曲がりなりにも、俺の恋人だよね?え、もしかしてそう思ってたのって俺だけ?…あ、遊びだったわけ!?嘘でしょぉぉおおっ!!??」
「善逸っ、落ち着いて!」
勝手な誤解をして善逸は、俺の前で頭を抱えて嘆きだした。
俺はそんな善逸の手首を掴んで、意識をこちらに向けさせようとしていた。
けれど、それだけじゃ駄目で。
数分前の女体に期待し興奮する自分が、嫌になった。
一度鍬から手を離し、俺は善逸を抱きしめる。
師範がみてようが、関係なかった。
「善逸、聞いて?嫁三人衆の裸体想像して、興奮したことは俺が悪かったよ。謝る。」
「紫音……っ。」
「
俺の体から顔を上げた善逸の目を見つめて、そう俺は言い切った。
そっか、と少し照れて恥ずかしそうに善逸は唇を尖らせた。
「熱いねぇ、出る温泉もそれくらい熱けりゃ問題ねぇな。」
そうからかいつつ俺たちから離れていく師範の背中を一瞥して、俺は善逸の頭を撫でる。
「頑張ろう、な?特別訓練。」
「うん…まだ見ぬ桃源郷の為に!」
ニヒッ、と笑う善逸は、やはり締まりのない表情をするのだった。
「とりあえず、音を聞こう。」
「それと、炭治郎!お前の鼻で、温泉の匂いを嗅ぎ取ってくれ「炭治郎、いないけど?」そうだった!炭治郎いないんだった!」
俺の隣に顔を向けて話し始めたと思ったら、療養中の炭治郎を頼ろうとしていた。
もう、癖になってるんだろうね。
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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時