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柱稽古、第一の試練は師範による地獄の扱きだった。
とは言っても、俺は継子だからか鬼殺隊に入る前から同じ内容の鍛錬をしていた為然程苦ではない。
問題は、善逸。


「オラァ!何、寝てんだ!善逸!!のんびりおねんねしてる暇があったら、血反吐吐くまで走れや!そんなんで、上弦の鬼に勝てると思ってんのか!?サボってんと殺すぞ!!」


これが始まって一刻後の、師範の叱責だった。
それと同時に肩にある竹刀が、火を吹く。
遊郭で共闘したからなのか、特別扱いなんてものはむしろ存在しなかった。


「ヒェッ…ヒャーーーーーーーーッ!!紫音っ、助けてーーーーーーーっ!!」

「紫音っ!絶対手助けするなよ!」


助けてと乞う善逸。
手助け無用、と釘を刺してくる師範。
完全に俺は、板挟みだった。
そんな善逸を他所に、同期の伊之助はまるで水を得た魚のようだ。
猪突猛進!、といつもの掛け声と共に、走り込んでいる。


「やるじゃねぇか、猪!全員、あと二十本!紫音と善逸、てめぇらはあと三十本だ!」

「チクショオォォォォォぉぉぉ!!」

「Oh,shit...!!」


木霊する師範の怒声と善逸の悲鳴じみた汚い高音。
それに紛れて俺は、異国語で毒を吐き捨てた。


───

「お前たち、あの人と一緒に上弦の陸を倒したんだろ?なんで、あんなに目をつけられてんだよ。そもそも、お前はあの人の継子だろ。」

「……そんなの…俺の方が聞きたいですよ。」

「俺は継子、だからだろうね。」


あれから数日の休憩中、両手を膝に付けて肩で息をする俺と、地べたに倒れ込んで血涙を流す善逸に先輩隊士である村田がそう聞いてきた。
困った笑みを添えて俺が村田にそう帰すと、善逸がとつぜんジタバタと暴れだした。


「もういやだ!もう、いやだあああああ!早く帰って!禰豆子ちゃんの顔を見たい!癒されたい!」

「なっ?お、お前、まさか……恋人がいるのか?我妻。」


善逸がそう声を大にして言うから、その場に居合わせた隊士からどよめきがあがった。
分かる、分かるよ善逸。
確かに禰豆子は可愛い。
けど、今の言い方は語弊を産む言い方だよ?

恋人は俺です。
と名乗り出たい俺を他所に、先輩隊士たちは善逸の様子からそんな存在はない、と結論付けたようだった。
そういう妄想、として片付けられ、先輩隊士たちは勝手に盛り上がっていた。
善逸も善逸で、俺そっちのけで禰豆子は妄想だ、ということを払拭しようと起き上がって言う。
恋人は、俺なんだけど?

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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

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