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病室から聞こえてくる善逸と同期との会話。
楽しげか、と聞かれれば否、と答えるだろうけど。
プリプリ怒っていたかと思えば、炭治郎にお礼を言われ優しく励まされていた。
それに対して簡単に機嫌が直ると思うな、と吐き捨てて出てきた善逸だけど顔と言葉が一致していない。
そんなに嬉しかったのかな、炭治郎に励まされて。
俺が何をどうしても、絆されること無かったのに。


「……チョロすぎ、善逸。」

「何が?」

「鏡で顔、見てみたら?」


君は俺のなのに。
俺の中で渦巻くドス黒い独占欲。
昨夜だけでは、俺の独占欲は昇華されないらしい。


「ちょっと、待ってって紫音!」


どうやら感情に任せて歩いていたらしく、善逸が小走りで駆け寄って俺の腕を絡めとった。


「……炭治郎に、嫉妬でもした?」

「勝手に音、聞かないでよ。」

「勝手に聞こえてきたんだよ。……で、嫉妬?」


隣で上目で見つめてくる善逸。
眉尻が、困ったように下がってる。
そんな顔させたいわけじゃ、ないんだけど。


「ん……そうjealousy(嫉妬)だよ。I'm the only one who can make you smile.(君を笑顔にするのは俺だけでいいよ。)

「じぇら…え、何?」


もう少しで蝶屋敷から出るところで、俺は善逸を壁へと押しやった。
何が起きたか分からずに、間抜けな顔で俺を見ている。


「愛してる、って言ったんだよ。」

「へ?いや、うっ…」


嘘、なんて言わせない。
紡がれる言葉ごと喰らって、唇も喰らう。
深くもなく、長くもない戯れの接吻(キス)
ちうっ、と音をたてて離せば、名残惜しそうな音を漏らす善逸。


「時間なくなるね、行こうか。」

「……うん。馬鹿。


これでもう、俺の事で頭の中いっぱいでしょ。
俺の唾液で濡れた善逸の唇を親指で脱ぐうと、チロリ、と飛び出てた舌先をかすめた。
硬直した善逸の手を引いて蝶屋敷を出ると、偶然しのぶに会った。


「仲が良いですね。お二人揃って、柱稽古ですか?」

「からかわないで、しのぶ。ん、そうだよ。」

「からかってないですよ。そうですか、怪我しないように頑張ってくださいね?」


見せかけの笑みで手を振るしのぶに見送られて、俺と善逸は柱稽古へと向かった。

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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

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