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108´ ページ21

「らしいよ…」

「そうなんだ!凄いな。」


寝台横の丸椅子に腰掛けて、俺は療養中の炭治郎と話をしている。
紫音?一緒に来たけど、今は廊下で待ってもらってる。
というより、俺の腰や体が大変なことになった罰を言い渡したってとこだけど。


「何も凄くねぇわ、最悪だよ地獄じゃん。誰なんだよ考えた奴、死んでくれよ。」


そんなの無くても腰が痛くて死にそうなのにさ。
炭治郎にこらっ、と咎められても、俺の気持ちは変わらずだ。


「自分よりも格上の人と手合わせしてもらえるって、上達の近道なんだぞ。自分よりも強い人と対峙すると、それをグングン吸収して強くなれるんだから。」


そう目の前の炭治郎が熱弁してくるが、それはそういう事が得意な人や好きな人がやればいいと俺は思う。
雷の呼吸の型を、一つしか覚える事が出来なかった俺がするような事じゃないよ。


「そんな前向きなことを言うんであれば、俺とお前の仲も今日これまでだな!!お前はいいだろうよ、まだ骨折が治ってねぇからぬくぬくぬくぬく寝とけばいいんだからよ!!俺はもう今から行かなきゃならねぇんだぞ、わかるかこの気持ちっ!!」


怪我人の炭治郎の頭に被り付き、これでもかと刺々しい言葉を浴びせた。


「善逸、そろそろ行くよ。」

「分かってるよ!もうやだっ、泣けてきた!」


炭治郎を解放して、廊下で呼ぶ紫音の下へ足を運びながらも俺は訓練が嫌すぎて頬を無駄に濡らしていた。


「言い忘れてたけど、ありがとう。」

「俺に話しかけるんじゃねぇ…!!」

「いやいや、待ってくれ。」


待ったを掛けられて、俺は足を止めて涙も止めて振り向いた。


「上弦の肆との戦いで、片足が殆ど使えなくなった時…前に善逸が教えてくれてた雷の呼吸のコツを使って鬼の頚が斬れたんだ。勿論、善逸みたいな速さでは出来なかったけど…本当にありがとう。」


優しく笑ってそう言う炭治郎。
俺と炭治郎みたくそういう事で窮地を救う事もあるから、柱稽古での学びも全て良い未来に繋がるだろうって。
……馬鹿なの?
俺ってそんな単純な奴じゃ、ないんだけど?


「馬鹿野郎お前っ…そんなことで俺の機嫌が直ると思うなよ!!」


そう吐き捨てて廊下の紫音の下へと、急いで足早に向かった。


「……チョロすぎ、善逸。」

「何が?」

「鏡で顔、見てみたら?」


そう言ってきた紫音からは、ちょっと複雑な音がした。

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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

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