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「
「あぁ、だから今言っただろ。"柱稽古"に出ろよって。」
師範から帰還命令が出され、任務後の疲れた体のまま俺は里へと戻ってきた。
帰って須磨に出迎えられ、師範の部屋へ連れていかれ、座った瞬間に柱稽古なるものに出るよう言われた。
「順序が派手におかしくない?普通、柱稽古あるから帰ってこいって言わない?」
「言ってなかったか?」
「
目の前の卓に手をダンッ!、と付いて目の前の師範に噛み付くように言うが、師範はうるせぇ、と言わんばかりに小指を耳に突っ込んであらぬ方を見た。
「何言ってっかわっかんねーわ。」
「……言われてないって言ったんだよ。それで、柱稽古があるのは分かったよ。いつから始めるの?」
「明日。」
「
「お、今のは分かったぞ!」
こめかみのドクドク、と血流が増えた音が骨を通って聞こえてきた。
目の前の師範は、俺の異国語が分かって何故か嬉々としている。
前から師範はこんなだった、と思い出した俺は、ため息をつきながら腰を下ろした。
「それで、相談がある。」
「……何?」
「我妻善逸。あいつを、俺の訓練が終わるまで部屋で寝泊まりさせろ。」
「
善逸の寝泊まりは歓迎するが、それが師範の命令だと思うとどこか釈然としない。
「異国語やめろよ。で、いいのか?」
「良いに決まってるでしょ。もちろん、そういう「節度を持って、訓練に励むんだぞー。」
食事の準備でたまたま通りかかったまきをに、俺はさりげなく釘を刺された。
「ぷっ……だっせ。ま、抱き潰さなければ良いだろ。」
「簡単に言ってくれるよね…」
明日からの訓練と、善逸のお泊まりで俺は頭を抱えた。
「そうそう、善逸に見られてまずいものは破棄するか隠しておけよー。」
「ないって。それは、師範でしょ。」
そんな下世話な話をしていると、廊下側とは反対側の襖を須磨がスパン!、と開け放った。
「天元様!見損ないましたっ、何ですかこれ!あたしたちがいるのに……こんな……こんなっ!」
「おっ、お落ち着け須磨っ!」
現実も理想も、願望も。
豊満な乳房に、安産型の臀部。
夫婦のやり取りに口を挟むのは、それこそ下世話。
ため息残して、俺は部屋を出た。
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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時