検索窓
今日:10 hit、昨日:71 hit、合計:3,371 hit

104 ページ16

What?(は?)聞いてないんだけど…」

「あぁ、だから今言っただろ。"柱稽古"に出ろよって。」


師範から帰還命令が出され、任務後の疲れた体のまま俺は里へと戻ってきた。
帰って須磨に出迎えられ、師範の部屋へ連れていかれ、座った瞬間に柱稽古なるものに出るよう言われた。


「順序が派手におかしくない?普通、柱稽古あるから帰ってこいって言わない?」

「言ってなかったか?」

I haven't been told!(言われてないよ!)


目の前の卓に手をダンッ!、と付いて目の前の師範に噛み付くように言うが、師範はうるせぇ、と言わんばかりに小指を耳に突っ込んであらぬ方を見た。


「何言ってっかわっかんねーわ。」

「……言われてないって言ったんだよ。それで、柱稽古があるのは分かったよ。いつから始めるの?」

「明日。」

Haaaaaaaaaa!!??(はーーーーーーー!!??)

「お、今のは分かったぞ!」


こめかみのドクドク、と血流が増えた音が骨を通って聞こえてきた。
目の前の師範は、俺の異国語が分かって何故か嬉々としている。
前から師範はこんなだった、と思い出した俺は、ため息をつきながら腰を下ろした。


「それで、相談がある。」

「……何?」

「我妻善逸。あいつを、俺の訓練が終わるまで部屋で寝泊まりさせろ。」

It's not a consultation, it's an order...(それは相談じゃなくて、命令って言うんだよ…)


善逸の寝泊まりは歓迎するが、それが師範の命令だと思うとどこか釈然としない。


「異国語やめろよ。で、いいのか?」

「良いに決まってるでしょ。もちろん、そういう「節度を持って、訓練に励むんだぞー。」


食事の準備でたまたま通りかかったまきをに、俺はさりげなく釘を刺された。


「ぷっ……だっせ。ま、抱き潰さなければ良いだろ。」

「簡単に言ってくれるよね…」


明日からの訓練と、善逸のお泊まりで俺は頭を抱えた。


「そうそう、善逸に見られてまずいものは破棄するか隠しておけよー。」

「ないって。それは、師範でしょ。」


そんな下世話な話をしていると、廊下側とは反対側の襖を須磨がスパン!、と開け放った。


「天元様!見損ないましたっ、何ですかこれ!あたしたちがいるのに……こんな……こんなっ!」

「おっ、お落ち着け須磨っ!」


現実も理想も、願望も。
豊満な乳房に、安産型の臀部。
夫婦のやり取りに口を挟むのは、それこそ下世話。
ため息残して、俺は部屋を出た。

105→←103



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.3/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。