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「俺たち鬼殺隊は、
「紫音、分かんない。異国語混ざってるから、俺も分かんない。」
「
「そういうこと。鬼がどうのこうの言っても、なかなか信じてもらえんし混乱するだろ?」
悪鬼滅殺を目標にし、命の危険と背中合わせで頑張っているというのに。
炭治郎も同じことを思っていたようで、なんとも言えない顔で言葉にしていた。
「まぁ仕方ねぇよ。とりあえず、刀は背中に隠そう。」
ムハハハ、と笑い声が聞こえたかと思えば、座り込んでた伊之助が自慢げに背中を見せてきた。
そこには、俺の刀同様に布に巻かれた刀が隊服のズボンの腰部分に差し込まれていた。
まるで、ケツから生えたしっぽのように。
「丸見えだよ、伊之助。」
「その前に服着ろ、バカ。」
刀を隠そうとしていると、列車の汽笛が鳴り響いた。
「やばっ!もう出発だ!警官いるかなぁ…」
「いても行くしかないよ。」
「
「勝負だ!突入しろぉぉっ!」
一番に伊之助が飛び出した。
「ちょっ、バカッ!」
「俺たちも行こうっ!」
伊之助に続く炭治郎。
「はぁ!?炭治郎!」
「行くよ、善逸。」
「え!?ちょっ、下ろせっ!紫音っ!」
最後に善逸を横抱きして俺が飛び出す。
今の所警官も駅員もいない。
飛び乗れそうな連結部分に、伊之助、炭治郎が飛び乗った。
「口閉じてて、舌噛むかもしれないから。」
「え!?えぇ!?」
「炭治郎!伊之助!場所開けて!」
列車と少しの間並走して、炭治郎たちが開けてくれた場所へ軽々と俺は音も立てずに飛び乗った。
「っと…大丈夫?善逸。」
「う、うん……」
「お前、顔真っ赤だぜ?」
「だぁぁぁぁ!もー!お前うるさいっ!紫音!下ろして!」
伊之助の言う通り、善逸は真っ赤な顔で。
無事に列車に乗れた、ということに免じて善逸を下ろした。
流れる景色を見て伊之助が、速ぇぜ!、と少しはしゃいでいる。
「炭治郎……禰豆子ちゃん、連れてきてよかったのか?」
善逸の言葉で、俺の視線も炭治郎の背中にある箱へ向いた。
「鬼殺隊本部に置いておくのが、一番安全なんじゃ……」
「ううん、これでいい。俺と禰豆子は、何処へ行く時も一緒だ。」
炭治郎の箱を見る目は、音に似て悲しくも優しい眼差しだった。
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月11日 22時