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そんな善逸に血の鎌が迫るのが見えて、俺は善逸の前へ出た。
「ぐっ…!」
「紫音っ!」
背後で俺を心配する善逸の声がしたが、すぐにそこから飛び退いてくれた為俺も血の鎌を弾いてそこから飛び退き離れた。
俺が離れた所に、帯が何本かブスッブスッ、と突き刺さるのが音で分かった。
「っぶな…!」
「集中しねぇとやられるぞっ!」
「分かってる…!」
俺も伊之助も善逸も。
目の前の堕姫が繰り出す帯の攻撃に、悪戦苦闘していた。
「くそっ!こいつら、ひらひらとうざってぇっ!」
痺れを切らした伊之助が、四本の帯をまとめて受け止めた。
「くっそ!グネグネする癖にっ、硬ぇっ!」
「チッ!…次から次へとっ!」
「だぁぁぁぁっ!くそっ!向こうは頸、斬りそうだぜ!」
「伊之助!次、来るぞっ!」
振り返って師範たちを見ていた伊之助に、善逸が逸れた気を戻すよう声を掛けた。
「畜生っ!合わせて斬らなきゃ倒せねぇのによっ!三人で撹乱しながら逃げ回ってるから、攻撃を避けれてるけどよぉっ!」
「距離詰めて頸狙わないと…意味無いよ…っ!」
使わぬ頭を使っているからか、伊之助は落ち着きがなくなっていった。
遂には刀を振り回して、自暴自棄になっていた。
「伊之助っ、落ち着け!」
「同タイミングで斬る必要は、ないよ。二人の鬼の頸が繋がってない状態にすればいいってこと。」
そう言う俺の周りを、堕姫の帯が締め付けようと集まりだした。
「紫音っ!」
善逸の声に片方の口角を持ち上げ、俺は帯を一閃して蹴散らす。
「
「じゃあっ、どういう事だ!むらさきっ!」
「
「だからぁっ!むらさき語わっかんねーってのっ!」
「向こうが頸を斬った後でも、諦めず攻撃に行こう!」
「お前…お前!何でむらさき語が分かんだよっ!すげぇいい感じじゃねぇかっ!」
感動するとこそこなの?、と思いながらも、激化する帯の攻撃をいなしては躱していく。
妓夫太郎の攻撃から雛鶴を守った炭治郎は、二人で俺たちの後方の屋根の上へと飛び移ってきた。
「炭治郎、危ないっ!」
そう言えば、炭治郎は雛鶴を連れて帯の範囲外の屋根へ逃れた。
「伊之助!善逸!」
「紫音くん!」
───
遊郭編戦闘中ですが、移行させていただきます。
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月11日 22時