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炭治郎と伊之助を師範の下に残して、俺は善逸の手を引いて部屋を移った。
そこには、鏡台と化粧道具一式が用意されていた。
｢部屋、変える必要なくない？俺も炭治郎たちも同じ男なんだから付いてるもの一緒だぜ？｣
｢股間にぶら下がってるのは一緒でも、炭治郎たちには
軽く善逸の背を押し鏡台前促した俺は、背中側から前へ腕を伸ばしぷちぷち、と隊服の釦を外していく。
鎖骨が見えたのと同時に、ぽつぽつ、と身体中に散りばめた鬱血痕の一部が現れた。
｢ちょっとちょっとちょっと！？遊郭に潜入する為の仕度をするんでしょ！？紫音、盛っちゃ駄目だよ！｣
鬱血痕を認識すると同時に、善逸は何かを思い出したのか俺の手を掴んで釦外しを阻止しようとしてきた。
その顔は、些か赤い。
｢
善逸を絆す様に俺は、首筋に唇を寄せる。
｢それとも…そういうこと、して欲しいの？｣
｢ん…っ違うからな……！｣
くすぐったかったのか、善逸からは鼻にかかった吐息が漏れた。
意識が首筋に向いてる隙に、俺は釦を外すのを再開させた。
｢善逸が未成年で、良かったよ。｣
｢なんで？｣
｢成人してたら、遊郭で客取らされるでしょ。｣
｢あ……そっか。｣
そう言えば遊郭はそういう場所だということを思い出したのか、善逸は大人しくなった。
釦を外し終えた俺は、そのまま腰帯に手をかける。
｢ちょっ！？紫音！下は自分でやるから！｣
またしても俺の手を止めようとする善逸だが、そんな抵抗とも取れない抵抗を無視して腰帯を緩めそのまま手を離せばふぁさ、と重さに負けて足元に落ちていった。
｢あ……｣
｢消えてきてるね。｣
足元にたぐまったたっつけ袴を見つめる善逸を他所に、俺は鏡越しに見えた太ももの鬱血痕が消えかかっているのを見つけた。
そこへ向けて、善逸の太ももを俺の手が這う。
｢紫音っ…駄目だって……！｣
｢分かってる…｣
潜入任務の為の仕度をしなければならないが、
俺の葛藤が、善逸の鎖骨で花を開いた。
｢いっ……｣
｢…定期連絡は俺が行くよ。それと、何かあったら叫んで？どこにいても、俺は助けに行くから。｣
｢聞こえるわけないって。｣
｢それでも、だよ。｣
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年6月11日 22時
