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ふと目が覚めれば、室内に陽の光が差し込んできていた。
もう朝なのか、と名残惜しげに俺は目の前のたんぽぽの頬を撫でる。
｢んう……｣
｢…可愛い。｣
脳裏に焼き付いた甘ったるい顔で俺を求める善逸が、物理的に繋がった事を教えてくれる。
いつもは助けて、守ってとぴーぴー泣きわめく口だが、俺との快感には甘い声を上げていた。
可愛い、と思うと同時に、ある意味毒だなとも思った。
このまま起きたら、また、と邪な考えが浮上するも、俺の中の
｢善逸…起きて。｣
｢ん……もぅ、無理だよ……｣
｢…
モゴモゴ、と口を動かす善逸に、俺は思わずそう問いかけていた。
眺めていたい俺と、任務に行かなければと思う俺がいる。
だが、鬼殺隊員は任務が優先。
俺は善逸を起こさぬように、そっと、床から抜け出した。
｢……もう、行っちゃうの？｣
雑に着ていた腰帯を、後ろへと引かれる。
離れ難いからと、寝ているうちに任務に着こうとしたが失敗に終わった。
｢任務、だよ。｣
｢あ…そっか……｣
思い出したのか、腰帯を引っ張っていた善逸の手がそこから離れた。
振り向けば寝起きの善逸と、雑に着せたはだけた寝衣。
それがやけに
｢はは…紫音、朝から盛ってる？｣
｢任務って言ってるでしょ…
｢……どういう意味だよ。良い意味じゃなさそうなのは、分かったけど！｣
｢知らなくていいよ、善逸。｣
そう言って俺は、今にも喚き出しそうな善逸の口を
触れるだけのもので終わらせようとする俺とは裏腹に、善逸の舌は俺の唇を舐めつつ割ってきた。
この積極性は、時間のある時にしてほしい。
煽られに煽られて、今の俺は困っている。
｢っ…善逸……っ。｣
｢ぷは…っ。｣
繋がった銀糸が、現実を突きつけるかのようにプツリ、と切れた。
｢紫音…｣
｢ん？…今から抱いて、はなしだよ？｣
｢違うわっ！…怪我、すんなよな。｣
｢
微笑んで誤魔化す。
名残惜しいが、俺は支度をして紫衣奈に導かれて任務へと着く。
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年6月11日 22時
