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俺は禰豆子と共に、列車に乗り合わせていた一般人を触手から守っていた。
こんな中に、善逸を置き去りにしているというのは俺としては凄く嫌で集中出来ないでいた。
｢禰豆子、後ろっ！｣
｢むーっ！｣
俺は禰豆子の後ろを、禰豆子は俺の後ろを見て表情を険しくさせすれ違いざまに互いの背後に迫っていた触手を斬り伏せる。
｢むっ！むーっ！｣
禰豆子の声に振り向けば、触手に捕まって両手足を拘束されていた。
｢音の呼吸、弐ノ型 前奏…｣
他にも乗客に伸びる触手が見えて、禰豆子の触手だけを斬っては他が犠牲になると思い一閃の構えをとった。
だけど、俺の一閃よりも速く黄色い閃光が駆け抜けた。
それとともに、鳴り響く雷鳴。
｢シィィィィィィ…｣
その呼吸音に視線を走らせれば、眠った雷の申し子がいた。
｢善逸…！｣
｢禰豆子ちゃんは、俺が守る…！｣
眠ってる時は助けて、とは言わない善逸。
それでも俺は出会った時から心に決めた事を、ただ実行するだけ。
｢なら、善逸は俺が守る。｣
───
｢紫音！｣
突然列車が揺れ、それに耐えるように立っていると炎が地面を駆けるが如く俺と善逸、禰豆子の前に眠っていたはずの煉獄が現れた。
｢起きたんだ。｣
｢よもや鬼の術中にはまるとは…穴があったら入りたい！｣
｢
｢うむ、頼んだ。後ろは俺に任せてほしい。鬼の頸は…｣
そう言って一度煉獄は、言葉を切った。
俺を見てくる煉獄に、ゆるゆる、と横に首を振る。
｢紫音、君にも…｣
｢
｢異国語は分からない、と何度言えば。……ああ、出してきた。｣
｢なら、やることやるだけじゃん。｣
｢…うむ、そうだな。紫音。｣
背を向けて、後方車両へ向かう煉獄が俺を呼んだ。
ん？、と聞き返せば、大きな目を細めて微笑みながら振り向いた。
｢…生きて帰れたら、君の笛を聞かせてくれないか？｣
｢
｢…善処はする。｣
ではな、と口約結んだ煉獄が、来た時と同様に炎の如く去っていった。
そんな
｢音の呼吸、弐ノ型 前奏曲・目覚め…陸弦！｣
雷鳴との
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年6月11日 22時
