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あれから更に一週間。
薬が苦いから、と嫌がる善逸をなだめすかして薬を飲ませるのが日課になった。
「善逸、口開けてよ。薬、飲まないと。」
「紫音も知ってるだろ!苦いの!もう限界だよ、俺!死んじゃう!」
「死なないから大丈夫だよ?ほら、飲み終わったら
「
要らないの?、と聞けばいる!!、と善逸は勢いよく口を開けた。
…いつか顎外れるかもね。
意を決して開けられた口へ、俺は無遠慮に薬を投下する。
苦味を感じるのは舌先の方だ、といつだったかしのぶに聞いたことがあった。
それを考慮して、舌の奥の方へ乗せるようにする。
それでも、善逸の表情は多少なり歪む。
「んーっ!!!んーっ!!!」
涙目になって善逸が水を求めて手を伸ばすから、そこに水の入った湯呑みを持たせる。
一気に飲み干して、涙目で俺を睨んでくる善逸。
毎回だから、もはや慣れたけれど初めのうちは辛かった。
何が、とは言わないけどね。
「バカ紫音!苦いよっ!」
「ごめんね?代わりに飲めればいいけど、しのぶに釘刺されてるから…けど、頑張ったね善逸。」
湯呑みを受け取って、寝台横へ置いて視線を戻せば
ぺたん、と座って、足の間に両手をつけて、俺からの
だいぶ、戻ってきたとはいえ、未だに元の長さでは無い腕。
善逸の頬を撫でる俺の手は、毒の影響で肌色が紫に変色している部分がある。
それは、善逸も同じだった。
「紫音、早……んっ」
「親指でも、嬉しそうだけど?」
「
俺としてはこのまま弄り倒したいけど、そうすると善逸がへそを曲げかねない。
体が完全に元に戻った暁には、弄り倒させてもらうことにする。
親指を善逸の口から離せば、善逸の舌とそれが銀糸で繋がる。
「
「分かんなっ」
異国語で言ったから、善逸が分からない、と言い終わる前に俺は、自分の唇を善逸のものと重ねる。
鳥が啄むような
寝台についてた善逸の手は、いつの間にか俺の病衣を握ってる。
俺が暴走する前に、善逸を解放する。
「ぷは…っ」
「善逸
「…意地悪っ!」
「褒め言葉?」
「違うわっ!」
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月11日 22時