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目が覚めると、視界には見慣れた天井と豊満な乳房。
今日は、雛鶴だった。
「あら、目が覚めた?紫音くん。」
「ん……ただいま。」
寝静まった頃に帰ったのを思い出して、そう言ったのに雛鶴はクスッ、と笑った。
「おかえりなさい、朝餉出来てるわ。食べられそう?」
「……食べるよ。なんで?」
「三日、寝たままだったのよ?」
天元様に教えてくるわ、と微笑んでから、立ち上がって部屋から出ていった。
少しして、バタバタ、と駆けてくる足音が二つ。
たぶん、まきをと須磨だろう。
「紫音!」
「うわぁぁぁああん!紫音くんが起きたぁぁぁぁぁああ!!」
駆け込んでくるなり、安堵するまきをと安心したのか抱き着いて泣いている須磨。
「紫音くん、起きないから!私、死んじゃったのかと思ったんだからぁぁぁああ!」
「勝手に殺さないでよ……師範、教えてあげなかったの?」
「気絶したお前見せたら、死体で戻ったと派手に思ったんだろ。」
まったく、と呆れながらも宇髄はしっかり、俺から須磨を引き剥がしていた。
「ほら、二人とも。紫音くんお腹空いてるから、並べるわよ。」
雛鶴に促されて、まきをと須磨は、また後で、と笑って部屋を出ていった。
「紫音、日輪刀が届くまで鍛錬は続けろよ。」
「分かってる。あ、師範聞きたいことがあるんだ。」
「派手に珍しいな、お前が質問なんて。でぇ、なんだよ。」
「ん…聴覚に意識を集中させるって、どうやるの?」
六尺以上上にある顔を見上げながら聞けば、初めはなんの事だ、ときょとんとされたが次には鼻で笑われた。
「なんだ、そんなことか。てっきり、女の抱き方かと思ったぞ。」
「それは自由にさせてほしい。そうじゃなくて、聴覚に集中するやり方が知りたいんだ。」
「それで女泣かせちゃ意味無くねぇか?まぁいい、聴覚に意識を集中させるにはだな。」
俺の目の前にしゃがんで、口角をニヤッと上げた。
「瞑想だな、地味に。」
「瞑想……あー、マインドフルネスか。オーケー、分かった。」
ありがと、と言えば、なんとも微妙な顔でおう、と返された。
「紫音くぅぅぅん!準備出来たわよぉぉぉ!」
「腹減ってんだろ?冷める前に食えよ、嫁の飯。」
「牽制しなくても大丈夫だよ、好きだけどライクだから。」
「……相変わらず、お前の言ってる事が派手にわかんねぇわ。」
「あはは…それは、
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月1日 18時