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「善逸は?どこで」
寝るの?、と続く言葉は、伊之助の腹いせに投げつけられた枕によって止められた。
それは善逸に向かって投げつけられたが、俺はなんなく片手でキャッチした。
「伊之助、邪魔しないで。」
そのまま投げ返せば、返ってくるとは思ってなかったのか伊之助の顔面にヒット。
「で、どこで寝るの?」
「伊之助の反対側にするよ。」
「じゃあ、俺は善逸の「炭治郎は伊之助の隣だよ?」
「え?」
何故?、と炭治郎が俺を見てくる。
そんな炭治郎に、俺はニヒルに笑って選んだ布団へと進む。
───
家主が呼んでくれたドクターの診察で、炭治郎と伊之助は肋が折れていた。
俺は、打撲と切り傷が主で高所からの着地で痛めた足も、中度の捻挫で完治で二週間。
善逸は、一人だけ傷も無ければ怪我もない。
「二人とも、肋折れてるとはな。」
炭治郎と伊之助を見ながら、布団の上に座って善逸がそう言った。
炭治郎は連戦だったらしいから、仕方ないとは思う。
伊之助は、炭治郎に折られてたし。
「肋より、コブが痛ぇ。」
「ごめん…」
あの頭突きで、コブのみで済んだのが凄い。
音的に、頭蓋骨折しててもおかしくはなかったから。
「お前、紫音に謝れよな。ボカスカボカスカ叩きやがって。謝れ。」
「断る。つか、なんでお前が言うんだよ。」
「いいから謝れよっ!」
「断るっ!」
「伊之助、謝るんだ!」
二対一の伊之助。
俺は卓に向かいながら、ため息をついた。
「善逸、いいよ。」
「良くない。俺が良くない。伊之助、そんなんじゃもうご飯一緒に食べてやんないぞ?」
「はぁ?なんだそれ。」
「ご飯は皆で一緒に食べた方が美味しいんだ。」
「そうだぞ!」
その会話を聞いて、俺の脳裏には師範と嫁三人衆が浮かんだ。
まきをが叩いただの、須磨がいけないだの、雛鶴がそんな二人をなだめて、俺も師範も呆れというかなんというか。
なんだかんだ、宇髄家の食卓は賑やかだったな。
「うん、みんなで食べると美味しいよね。」
「ほらぁ!紫音もそうだってさ!」
「お前ら、頭大丈夫か?」
「お前に言われたくねぇぇっ!」
「うん、君に言われるのは心外。」
騒がしかったようで、廊下に家主が御用か、とやってくるなり善逸はお化けぇ!、と声を大にして言ってしまった。
「これぇっ!」
「善逸、夜も遅いから静かに。」
人差し指を唇に当てて静かにするよう促す。
オマケにウインクしたら、善逸の音が乱れた。
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月1日 18時