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「教えることは教えた。派手に行ってこい、最終選別!」


十六の時、海外から帰ってきた日の晩。
俺の世界は一変した。
親が化け物に喰われ、俺はなすすべもなく見てるしか無かった。
喰われる覚悟をした時、派手な男がその化け物の頸をはねた。

化け物が鬼という存在で、派手な男はその鬼を退治する組織のトップでその組織は"鬼殺隊"。

俺は、幸せな俺の世界を壊した鬼を憎んで鬼殺隊に入る事を決意した。
それからというもの、俺は派手な男…鬼殺隊音柱・宇髄天元の下で修行を積んだ。
身長もあり体格も良かったこともあって、師範の使う呼吸が俺にも合ったようで"派手にすげぇじゃねぇか!"と喜ばれた。
元忍者らしいが、派手だし、音の呼吸の技なんか爆音響かせるし。
忍んでないじゃん、っていつも思う。

話が逸れたけど、戻すよ。
その時から二年が経ち、俺は今日最終選別っていうテストにチャレンジしに行く。


「行ってきます。」

「死ぬんじゃないよ?」

「うん、生きて帰るよ。」


まきを、須磨、雛鶴を順にハグすると、いつもいつも師範が怒る。


「いいからさっさと行け!嫁たちに触るな!」

「ただの挨拶なのに…」


ムッ、としたまま背中を向けて、藤襲山へ向かう。


「ったく、お前らは俺の女房だろ。なーに、満更でもない顔してんだよ。」


遠ざかる俺の耳に聞こえる、師範の嫉妬。
聞こえてんだって、俺耳良いから。


───

藤襲山ってのがどんなところかと思えば、藤の花(ウィステリア)が狂い咲いている山だった。


「ワーォ。」


圧巻とも言える景色に、思わず感嘆の声が出た。
周りを見ると、俺と同じようにテストを受けに来てる人たちがいた。
ビビってる奴、自信無い奴、やる気に満ちてる奴。
色々。


「怖いなら来なきゃいいのに。」


ボソッ、と呟いたら、近くの人に睨まれた。
心外だな、と思ってると、黒髪の女の子…いや、音的に男の子と白髪の女の子が出てきた。
ウィステリアで囲まれた山地に、鬼殺隊が捕まえた鬼たちが跋扈している。
その中で七日生き抜けば、テストは合格らしい。


「要するに、(デーモン)相手のサバイバルってことか。」


生き抜くだけじゃなくて、なんだったら殲滅しようと思い至った。


「では、行ってらっしゃいませ。」


その言葉を聞いた俺は、誰よりも速く駆け抜けた。
ゲームスタートだ。

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月1日 18時

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