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目の前にはヒルチャールの群れが此方にへと走ってくるのが目に見えた。拠点を移動しようとしているのだろうか、沢山の荷物を抱えて他の場所へと移ろうとする時に、運悪く私達と遭遇してしまった。
万葉は気付いて居たものの、お腹に深く刺さっていた矢のせいで思うように身体を動かせない故に変わらない未来だと分かっていたのだろうか。何の思惑があってその場に居るのか分かりえない。
『 …刀、 』
「 拙者の刀は牽制の為に持つだけで構わぬ。下手に刺激すると一斉に襲いかかって来るであろう。 」
『 斬れ味良さそうな刀ですね。ヒルチャールも一発で首が吹っ飛びますよ、これ。 』
「 A殿は警戒感が無いでござるなあ… 」
『 "耳"が優れていると自慢げに語る万葉が態々ヒルチャールと真正面で対峙するとは思わないからね。 』
「 はは、バレていたでござるか。直に救援が来る故、多少の辛抱でござるよ。 」
『 私、闘う能力なんて無──── 』
「 ─────────風と共に去れ！！ 」
私と和葉以外の誰かの声が静かな場所に木霊する。竜巻がヒルチャール全員を巻き込むようにして何メートルか先に吹き飛ばされるのを見れば私は呆然と立ち尽くす。万葉はこれを知っていたのか、隣でクスクスと「矢張り、旅人殿は凄いでござる。」と感銘を受けていた。
あっという間に倒されたヒルチャールを目の当たりにしていると、早足で此方へと寄ってくる一人の女性とふわふわと浮遊する不思議な生き物。私と変わらない身長の女性で、金色の髪を靡かせる姿と容貌は美少女と言って良い。状況を瞬時に理解したのか二人は顔付きを変える
「 か、万葉…！？そのお腹は大丈夫なのか！？ 」
「 パイモン落ち着いて。私の洞天に招待するから二人共上がって。───七七を急いで呼んで来るから、それまでは安静にしてて。」
「 旅人、感謝する。 」
洞天とは何だろうか、という疑問を持ちながら流れに身を任せてその場に立ち竦んで居ると彼女から一つの壺が出されたと思えば意識が暗転するかのように目が無意識にも閉じる。不意に真新しい風が吹いたと思い、目を恐る恐る開けると先程のいた場所と違う世界に居た。
真正面には大きい一軒家が一つ建てられており、周りには木々や草木などが生い茂っているのが目に見える。パイモン、と呼ばれた不思議な生き物に邸を案内されては一つの部屋に辿り着き、部屋にあったベットへと優しく下ろした。
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ふわな - とっても面白いです！これからどうなるのかとってよ楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月22日 0時) (
レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは！！（？）凄く好きだっ！！ってなりました！これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2022年6月17日 7時
