■少女、買い物をする。 ページ14
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万葉のお腹の怪我も完全に治って一週間。いつも通りの日常へと復帰することが出来た彼は、外の空気が美味いと言いながら璃月港を私と共に歩いていた。
私が璃月港にいる理由は、稲妻にへと旅に出る前に万葉が助けて貰った恩返しがしたいと何度も願いを乞うものだから、初めての街を案内してもらう事にした。パイモンからもお使いを頼まれていて、璃月港ではやる事尽くしで困ることが無いと、ちょっぴり楽しみでいた。
『 まって万葉人が多すぎて私無理無理むりむりむり!!!!! 』
「 そうでござるか?…まぁ、久しぶりの快晴であるから人が多く居るのも無理も無い。 」
『 ま、街ってこんな賑わっ… 』
「 失神されたら拙者も困るでござる。」
『 …う、なら何かを…買おう? 』
「 はいはい。わかったでござるよー 」
『 からかってるでしょ!!!!!!! 』
人生初の賑わいを味わう私にとって人混みも、ましてや威圧されるぐらいに商売があちらこちらで交わされていて。好奇心唆られるものの、まだ抵抗が自分の中であっては思うように足が動かない。
蛍とパイモンはいつも通り引っ張りだこで、各地の依頼をこなして回っている。万葉が安静にしている時も、旅人を求める声は止むことを知らなかったぐらい。私が代わりに看病していても、万葉は元気な声で此方に話し掛けてくれる。
───────この一週間は天気を願ったことは無く、自然に雨が降ったり、晴れたり。時には曇ったり、そんな一日一日を過ごすようになっていた。自分の為に雨を降らしていたけれど、こんな楽しい時間を璃月港で過ごす事が出来て嬉しい以外の言葉では埋めることが出来なかった。
『 じゃあこの…チ虎魚焼きを四つお願いします。 』
「 あいよ、チ虎魚焼きね。1350モラだよ。 」
『 まって…万葉、モラの使い方わからないんだけ── 』
「 …っふ、」
『 なんで笑うの!!!!!!! 』
「 A殿は矢張り面白いでござるなあ。…免じて拙者が支払おう。 」
「 はは、嬢ちゃんはモラの使い方が分からないのか。どっかの箱入り娘か? 」
『 …間違いでは無いけど、あ。こうやってモラを使うのね。 』
店主からチ虎魚焼きが入った袋を手に渡され、万葉はそれと同時に1350モラを店主に支払った。何だか申し訳ないけど、モラの使い方がタメになったから良いし。揶揄う万葉が悪いんだ。
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ふわな - とっても面白いです!これからどうなるのかとってよ楽しみです!更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月22日 0時) (レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは!!(?)凄く好きだっ!!ってなりました!これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩 | 作成日時:2022年6月17日 7時