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SIDE:A
「もうすぐ頂上、着くで、楽しみやなあ、絶対1番綺麗やわ！」
「そうだね」
もうすぐ頂上。
”恋人同士がてっぺんでキスすると一生一緒で、幸せになれる”
そんな話が頭をよぎるが、生憎私たちは恋人同士でもないし。関係ない。
自分を
あと3秒もすれば頂上。
――――その時。
ガタン、と大きな音がして、ゴンドラが傾く。
振り子のように大きく揺れ、私の椅子が随分と傾き、坂田の上に滑り落ちる。
また逆方向に傾いた時、目の前にいる坂田が、焦って椅子からずり落ちる。
何かが唇に当たったような感触がした。
その後、少しずつ揺れが収まる。
でも、まだまだ揺れが大きく感じて、怖くて。
なにせここはいちばん高い場所。
「A、怖いやろ、大丈夫?」
「さ、かた、」
「ほら、おいでや、A」
守るように、包むように抱きしめられる。
そしてそれに感動する間もなく。
ちら、と坂田の顔を見ると、すごく真剣な顔で、必死に姿勢を保とうとしているのがわかった。
坂田のズボンに、血が滲んでいた。
「坂田、大丈夫？」
「ええから、じっとしてて、怖いやろ、大丈夫やから」
「わ、かった」
そして2分ほど経ち、揺れも完全に収まった頃ゴンドラ内にアナウンスが流れた。
『観覧車のトラブルが起きました。
乗車している方は、落ち着いてお席におすわり下さい。』
ゆっくりと観覧車が回り始めた。
＊
下に着くと、スーツを着たスタッフの方々が並んでいた。タオルや救急箱など、手当の物も用意されているみたいだ。
「お怪我はございませんか、お客様。
この度は本当に申し訳ございませんでした……！」
深々とお辞儀をするスタッフさん。
「あ、坂田、が、怪我をしているみたいで、手当お願いできますか？」
「あぁ、大変申し訳ございません、どちらをお怪我されていますか？」
奥に連れられていく坂田。
その後ろ姿は、なんだか痛々しいような気がして。
しばらくして手当が終わり、大きな絆創膏を顔を貼り付けた坂田が帰ってきた。
「A、待たせたなあ、もうバッチリやから平気やで、A平気？」
「平気、……その、ありがとう」
「大事な大事な幼なじみの為やから」
「はは、ありがと」
「今度ジュース奢りやで！」
「任せといて、特別だから」
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柚子(プロフ) - いい感じにすれ違って行ってますね（？)まぁ楽しみということです！頑張って下さい (2020年4月11日 22時) (
レス) id: f5a2d726a8 (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - うわぁ…気持ちは分かるけど絢香ちゃん腹黒だぁ…坂田さん、複雑な気持ちだろうな…。更新待ってますね (2020年4月11日 0時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
きほん(プロフ) - はじめまして、とてもキュンキュンしながら読ませていただいています！ドキドキハラハラキュンキュンで、個人的にはどちらのオチも見てみたいですが、どうなるのかとても楽しみです！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: d19256ebb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ - 年下組が夢主ちゃんのことでバチバチ(？)なっているのがキュンとしました。あと、作者様の書く文がとても好みです！その文才を私にも恵んで下さい…長文失礼しました。 (2020年4月3日 12時) (レス) id: 5d83f022ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃけ | 作成日時：2020年3月30日 0時
