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SIDE:絢香
カッターで自分の腕を刺した。
痛い。
……なんでわたし、こんなことしてるんだろう。
坂田くんのことが好きなだけなのに。
わたしは、彼と幸せになりたいだけなのに。
……。
自分で自分のことを見失いそうになる。
標的をAちゃんにしたのは、幼なじみだから？
違う。
坂田くんの近くに居たから？
違う。
本当はわかっていた。
坂田くんが、Aちゃんのことを好いていること。
だから、別れを切り出されたんだ。
それでも。
腕を刺して、坂田くんは、Aちゃんよりも先に、わたしの方を見てくれて、わたしの名前を呼んでくれて、わたしと一緒にいてくれた。
ほら、現に一緒にいるでしょ？
「……なぁ、絢香ちゃん」
「どうしたの、坂田くん？」
「腕、平気？」
「うん、我慢できなくはないから、大丈夫」
でも、坂田くんは、わたしの事がもう、嫌みたい。
……わたしだけを、見て欲しいだけなのに
「A、本当にやったん？」
あんなに状況証拠があったのに。
普通なら、わたしを信じるはずなのに。
なんで、まだAちゃんなの?
なんで、またAちゃんなの?
わたしじゃ、駄目なの？
「Aちゃんってさ、可愛いよね」
「……俺の質問に、」
「Aちゃんの方が好きなんだもんね、坂田くんは」
「……」
「わたしが、やったよ」
「……え」
「自分で、自分の腕を刺したんだよ」
「な、んで」
「坂田くんのせいだよ、坂田くんがこっち見てくれないから、付き合ってくれたのに、ずっと好きだったのはAちゃんでしょ?」
「それは」
「あーあ、坂田くんのせいだよ、
坂田くんがもっとちゃんとしてくれてたら、Aちゃんも悪者扱いされなかったのにね」
「……っ」
「坂田くんが、ちゃんとわたしをフッてくれてたらAちゃんともちゃんと恋人になれてたかもしれないのに」
「……絢香ちゃん、」
「あ、今センラくんと付き合ってるんだっけ?お似合いだよね、坂田くんもそう思うでしょ?
だって、2人の”友達”だもんね」
「…っ、絢香ちゃん!!」
……あ、いい事、思いついちゃった。
「……あ、そうだ、Aちゃんって優しいからきっとお見舞い来てくれるよね、わたしの。」
坂田くんの腕をひく。
坂田くんって体幹ちゃんとしてるから、私に倒れ込むようなことなくて、好都合。
ほぉら、押し倒してくれた。
「……ねぇ、この状況、どう思うんだろうね」
コンコン、とノックがなった。
いいタイミングだね、坂田くん?
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柚子(プロフ) - いい感じにすれ違って行ってますね（？)まぁ楽しみということです！頑張って下さい (2020年4月11日 22時) (
レス) id: f5a2d726a8 (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - うわぁ…気持ちは分かるけど絢香ちゃん腹黒だぁ…坂田さん、複雑な気持ちだろうな…。更新待ってますね (2020年4月11日 0時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
きほん(プロフ) - はじめまして、とてもキュンキュンしながら読ませていただいています！ドキドキハラハラキュンキュンで、個人的にはどちらのオチも見てみたいですが、どうなるのかとても楽しみです！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: d19256ebb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ - 年下組が夢主ちゃんのことでバチバチ(？)なっているのがキュンとしました。あと、作者様の書く文がとても好みです！その文才を私にも恵んで下さい…長文失礼しました。 (2020年4月3日 12時) (レス) id: 5d83f022ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃけ | 作成日時：2020年3月30日 0時
