51 ページ5
次の日。
センラくんは、無事退院できたらしい。
良かった。
私はキッチンへ行き、果物ナイフとリンゴを持って行く。
「どうされたんですか?」
「うーん、花嫁修業?」
「花嫁になっても使用人はいますけどね、ふふ」
「確かに……まぁいいや、せっかくだし借りていくね!」
「わかりました、気をつけてくださいね!」
「了解!」
カバンに星硝子とナイフを持って、家を抜け出す。
すこし歩き、星硝子を取り出して、できるだけ遠くへ飛ぶように指示する。
遠くへ。誰にも見つからないような、そんな場所へ。
✧*̣☽⋆゜
side change…… ▶ Sakata
好奇心、って案外厄介なもので、でも、今回ばかりは、本当に良かった。
急いでうらさんとまーしぃ、センラの所へ行く。
「……Aが危ないっ!」
そう言うと、全員が目を見開いていた。
詳しい説明をしている時間なんて1秒もないので、とりあえず着いてきてもらう。
その後、まふゆさんにお願いして、Aの星硝子の位置がわかる魔具を貸してもらった。
Aが屋敷に居ないことに、その時気づいたらしく、まふゆさんも大層驚いていた。
きっとあの後、他の人にも伝えるのだろう。
魔具によると、Aは西南の方向。
「……なぁっ、坂田!なんで、そんな急いでるん?!」
全速力で飛んでいる中、まーしぃがそう質問してきた。
「Aが……、Aが死んでまう!」
「……えっ?!」
25人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゃけ | 作成日時:2020年3月29日 2時