検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:7,828 hit

50 ページ4

その日、私はひとりひとりの家に、1人で向かった。

「うらたくん、久しぶり」

いきなり現れた私に、さぞかしびっくりしただろう。

「……A、どうして」

「あのね、お手紙を渡しに来たんだ。
……ほら、父上が禁止して、もう会えなくなったらやだからさ」

「手紙、って」

「あ、まだ開けないでね、恥ずかしいから!
うーん、そうだなぁ……。2日後くらいに開けて!」

「なんで2日後?」

「うーん、なんとなく」

「……そ、か。ま、また絶対会うからな。これはしばらく開けないことにするよ」

「うん、ありがとう!」

「またな、A」

「じゃあね!」


✧*̣☽⋆゜


「志麻くんっ、久しぶり!」

「あ、Aやんか、禁止されたんとちゃうん?」

「へへ、来ちゃった。内緒ね?」

「…ちなみになんで?」

「ふふん……じゃーん、お手紙を持ってきました!」

「おぉ、読んでええ?」

「まだ駄目!2日後くらい!」

「え、なんで?」

「間違えて2日後の日付書いちゃったから…」

「ふは、Aらしいやん、ええで、ちょっと待ったるわ」

「へへ、ありがと」

「またな」

「うん、じゃあね」


✧*̣☽⋆゜


「坂田、久しぶり……。ちょっと……あれだね」

「A、久しぶり!あれだねって痩せたってこと?」

「いやなんか老けた」

「老けたんかい」

「へへ、ごめんごめん。そうだ、今日ね、お手紙持ってきただけなんだ、この後センラくんとこにも寄るの」

「へぇ、嬉しいわ、ありがとうな」

「あ、読むの2日後くらいにして!あのね、書いた日付間違えちゃって!」

「ドジやなぁ、ふは、久しぶりに笑ったわ、ありがとうな!」

「笑ってくれたなら何より!じゃあね!」

「おう、またな、A!」


✧*̣☽⋆゜


「センラくん久しぶりー……。
……あれ、起きてる」

「あれってなんやねん」

「いや知らなくて」

「もう少しで退院や、もう」

「そうなんだね、よかった!」

「おう、そやね。久しぶり、A」

「うん、あのね。手紙書いたんだけど……。日付間違えちゃって、2日後くらいに開けてくれると助かる」

「ふふ、ええで。……あれ、髪留め、付けてくれてないんや」

「あー、そうね」

「……あんま、気に入らんかった?」

「ううん、凄く。綺麗で、すごくすき」

「ほんならええわ、好きにしぃ」

「へへ、ありがとう。じゃあね」

「……おう、またな、A」

51→←49



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しゃけ | 作成日時:2020年3月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。