87 けーき ページ37
うちに帰る頃にはイライラは収まっていた。
「……ちゃんと仲裁しておけばよかったかな。」
今更であることには間違いないのだが。
……ま、いいか。
暇だし、軽く運動でもするか。
来年……といっても、もう2ヶ月経ったから10ヶ月後だけれども。
ライブもあるし、体力くらいつけておかないとな。
服を着替えて、部屋の端に巻いてあるマットを取り出す。
軽く準備運動をして、体を伸ばす。
やるのは、バーピージャンプ。
軍隊とかでやってるやつ、みたいなのは聞いたことがある。
……よし、一丁やりますか。
*
*
ふぅ、と一息ついて、Aんちのインターホンを押す。
少し経つと、Aが出てきた。
「せ、センラさん、どうされました?」
少し息切れしたAが出てきた。
格好からすると、運動でもしていたのだろうか。
……露出、多いな、少し。
そう思い、少し目を逸らす。
「……?どうされました?」
「……いや、運動してたんやなぁ、思て」
「あ、……もしかして、汗臭かったですか?すみません」
そうじゃないんやけどな。……まぁわざわざ言うことではないからええか。
「……、その。
あんまりそういう格好で玄関開けへん方がええで。危ないし」
「……あ。」
Aは少し頬を赤く染め、玄関近くに掛けてあったパーカーを羽織り、咳払いをした。
「ん゛ん゛っ……。そうだ、今日どうされました?」
「駅前でケーキ売っててん。美味しそうやから一緒に食おうかな、思て」
ほら、と手に提げたケーキの箱を見せる。
すると、Aは目を輝かせて
「え、いいんですか?ぜひ!運動しててお腹ぺこぺこなんですよ!
さ、どうぞ!」
と、家の中から手招きされる。
「じゃ、お邪魔しますわ」
「片付けてないのであんまり部屋見ないでくださいね」
「思ったより綺麗やん」
「思ったより……?」
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Silvermoon(プロフ) - うんうん、ストーリーにどんどん引き込まれて行く感覚…良い作品ですね。
(*^_^*) (2020年6月14日 10時) (携帯から) (レス) id: 5e24cae7de (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - イチゴいちさん» 本当ですか!ありがとうございます、とっても励みになります!これからもよければぜひ宜しくお願いします!! (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - Silvia Silvermoonさん» すみませんありがとうございます、直させていただきましたド忘れしてましたすみません! (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
Silvia Silvermoon(プロフ) - あ、続編に移行されたんですね、おめでとうございます。1つ質問…名字…前には任意で変えられましたが今回は固定なんですね^^;;; (2020年5月22日 13時) (レス) id: 2333e0e3ce (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - 続編おめでとうございます!なんと…初コメなんですが。しゃけさんのシリーズいつも楽しく読ませて頂いてます。更新頑張って下さい(`・∀・´) (2020年5月20日 17時) (レス) id: 86b9e23d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃけ | 作成日時:2020年5月20日 4時