65 おいで ページ15
「……あの、これ、」
「……はい、確かに確認しました。どうぞ。」
「あ、ありがとうございます……。」
コミュ障を(不本意ではあるが)最大限発揮しながら、関係者通路に入っていく。
……ま、変な人に話しかけられないし、いいでしょ。そういうことにしておこう。
……と思っていたのに。
「……あれ、マツリさん？」
「……。え？」
……変な人に、声をかけられてしまった。
ふわふわの髪の毛の、目のパッチリした……男……の人……？
「なーんだ、マツリさんも来てたんだ、一緒に楽屋行く？」
「……えーっと……。」
……あれ、そういえばこの人どこかで……。
「……前会ったのに……。なるせです……。」
「……ああ、前、ビルで！」
「……ほら、行こ。」
なんとなく拗ねた様子で先導してくれるなるせさん。さりげなく優しくしてくれるの優しいな、すごい。
慌ただしくスタッフさんたちが走る横を通り、会話もないまましばらく進む。
……なにか話した方がいいよね、何を話そう。
いかんせんコミュ障を極めているため、今思いつくのは天気の話題くらい。今ほどコミュ障を恨んだことは無いだろう。
そうやってワタワタしていたら、いきなりなるせさんが止まった。
それに気づかないまま歩いていた私は、
「わ」
と、ぶつかってしまったのだが。
……身長があまり変わらないから、ぶつかったのは私の腕となるせさんの背中だけれども。
「す、すみません」
「ううん。ほら、着いたよ。どーぞ。」
ドアを開けて、紳士に待っているなるせさん。
先に入っていいよ、ということだろう。
こういうことをサラッとできる人、絶対モテるわ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Silvermoon(プロフ) - うんうん、ストーリーにどんどん引き込まれて行く感覚…良い作品ですね。
(*^_^*) (2020年6月14日 10時) (携帯から) (
レス) id: 5e24cae7de (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - イチゴいちさん» 本当ですか！ありがとうございます、とっても励みになります！これからもよければぜひ宜しくお願いします！！ (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - Silvia Silvermoonさん» すみませんありがとうございます、直させていただきましたド忘れしてましたすみません！ (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
Silvia Silvermoon(プロフ) - あ、続編に移行されたんですね、おめでとうございます。1つ質問…名字…前には任意で変えられましたが今回は固定なんですね＾＾;;; (2020年5月22日 13時) (レス) id: 2333e0e3ce (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - 続編おめでとうございます！なんと…初コメなんですが。しゃけさんのシリーズいつも楽しく読ませて頂いてます。更新頑張って下さい(｀・∀・´) (2020年5月20日 17時) (レス) id: 86b9e23d57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃけ | 作成日時：2020年5月20日 4時
