天使になって待ってるね I (ページ9)

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ピピッ、ピピッ

眠い目をこすりながらどうにか起きる。
そうちゃんに気を遣いながら寝たからか、
ベッドで寝たのに休まった感じがしない。

そうちゃんは今日もきっちりベッドの半分側で
寝息を立てている。可愛い。

起こさないように準備をすませて、学校へ向かった。

「A、今日シフト入ってたよね？一緒に行く？」

そう話しかけてきたのは同じ学科、
同じバイト先の皇輝。

「あれ今日私入ってる？」

「パートさんが今日シフト入れないから代わりに入るって言ってなかった？」

「あー、そうじゃん！ありがとう。一緒行こ。」

「上がるの何時？11時？」

「11時半かな。」

「じゃあ送ってくよ。」

ありがとう、と言いかけて、そうちゃんのことを
思い出す。鉢合わせたりしたらまずい。

高校生と一緒に住んでんの？と冷たい顔をする
皇輝を思い浮かべる。

「あ、いや！それは大丈夫！」

なんで？とでも言いたげなのを無視して、バイト
だったと連絡するためにスマホを取り出す。

いや、私そうちゃんの連絡先知らないじゃん。
そもそもそうちゃんがスマホいじってるところ
見てないような。

大丈夫かな。まあきっと大丈夫か。

バイト先を出てから時計を見たら11時32分。
外は真っ暗だった。

皇輝が帰る前に本当に送らなくて大丈夫？って
声をかけてくれたけど、断って家に帰る。

ドアを開けるとそうちゃんがすぐに駆け寄ってきた。

「おかえり。」

「ただいま、ふふ。」

「なににやにやしてんの？」

「ただいまって言うのも良いなあって。」

「ほんとさあ…。おれ、心配してたのに。」

「え！なんで？」

「朝起きたら居ないし、こんな時間だし、
おれが居るから帰ってきたくなかったんでしょ？」

「そんなわけないじゃん！むしろ、そうちゃんが
居るから帰ってきたいもん。」

そう口に出してから冷静になる。
え、私、そうなの？

「あ、そ。」

引かれた？最悪だ、と思いながら顔を見たら
少し赤くなっていて、心臓がはねる。

早く寝よ、とそうちゃんに急かされて、
急いで準備して部屋に戻ると、ベッドの半分側が
埋まっている。

背中に温もりを感じながらも、
バイトの疲れのせいですぐに眠ってしまった。

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