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もう ページ21

仙蔵目線



「仙蔵だ。入るぞ」



そう言い、襖を開け部屋に入ると、

部屋の主のAが寝ているのを見つける。



寝ていると言っても、頬は赤く、息苦しそうだ。



近くに寄り、伊作が置いていったのだろう、

桶にかけてある布でAの汗を拭いた。



昨日池に落ちた、と聞いては居たが、これ程までに

酷いとは思って居なかった。

昨日は肌寒い気温だった事に加え、風も強かった

のが影響したのだろう。



「ん」、と言い、Aが寝返りをうつ。




自分の膝下に偶然放り出されたのは、包帯が

緩み、解けそうな左手。


少し触るのに躊躇をしたが、放っておくよりマシだと

巻き直す為に一度包帯を解いた。


..痕になってしまったそれを見る度に、

Aは気にするなと言うが、どうしても罪悪感を

感じてしまう。



「(そういえば、あの日もこうやって寝ているAを

見ていたんだったな)」


と傷痕を指で撫で、包帯を巻き直す。





「...二度と、間違えたりしないよ」





そう呟き、左手を布団の上に戻した。

すると、目に入った額の上の布が乾いてしまって

いる事に気付いた。

このままでは熱そうだと思い、水に浸し絞ると、

それをAの額に置いた。




すると、ゆっくりAの目が開く。





「...ああすまん、起こしたか。まだ寝ていても

大丈夫だぞ」





と言い、桶の水を変えに行こうとすると、

Aがいきなり起き上がり、話そうとした所

咳込み出した。 水を飲もうとしているが、

上手く飲めていない。 Aの背中をさすり、

落ち着くともう一度布団に寝かせる。


ごめんね、と謝るAに気にするなと言う。

こんなに弱ったAを見るなんて、いつぶり

だろうか。



すると、Aが今日の事を謝り出す。


全く気にしていない、と言うとキョトンとした顔を

された。



「当たり前だろう。...大人しくなっている、とは

聞いていたが、弱気にもなっている様だな...。

また体調が良くなったら行けば良いだろう?

だから、早く治せ。良いな?」




そう言うと、Aは少し安心した様だった。



薬を渡し、それを飲ませ、早く寝ろと言う。



「仙ちゃん」と呼ばれ、水かと思い、手に取ろうと

すると、









「寂しい」









音と→←顔が熱い理由は



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(プロフ) - 続きが読みたいです…、何年でも待ちますから…!(泣) (2022年9月3日 0時) (レス) @page24 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
草餅 - MARIさん» 返信が遅くなり申し訳ありません( ; ; ) 頑張って更新します! (2018年1月18日 14時) (レス) id: 0c115415c6 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 続きが見たいDEATH!(忙しいんですかね) (2018年1月7日 12時) (レス) id: f2fb6e2bac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:草餅 | 作成日時:2017年11月1日 11時

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