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冷めない熱 ページ12

ーA目線ー


昨日の事を思い出すと、

今にも消えてしまいそうなぐらい恥ずかしい。

彼が寝ていて無防備な所を良いことに、許可も得ず

勝手に触れて__


「(本当、何考えてるのかしら妾!!

寝ていて目を覚ましたら同級生がべたべた顔を

触っていた、なんて..

普段からべたべたしちゃってるのは事実だけど、

状況が状況だわ...!!)」


ぐるぐると忙しく回る頭とは反比例に、

食事を食べる手は全く進まない。


「どうしたA、食べないのか?
私がその鮭貰っても良いぞ!」


「小平太。遠慮しておくわ、お腹が空いてない訳

じゃないから」


そう言うと「そうか!」と席に座り直した。

少しすると元気よく「ごちそうさま!」と言って

妾に向かって

「じゃあな!ちゃんと食べるんだぞ!」

と言って立ち上がった小平太に手を振った。


...一旦気持ちを切り替えて、早く食べよう。

そう思い、箸を動かそうとした瞬間。



「おはよう仙蔵!」



「おはよう」



ピタッ。手が止まる。

声の聞こえた方に視線をやると、小平太と挨拶を

交わす仙ちゃんが居た。

そういえば今日は食堂で見かけていなかった、と

頭を抱えたくなる。



妾の存在に気づき、こちらの席まで歩いてくる彼。


「おはようA。」

「お、はよう仙ちゃん。 今日も凄く綺麗だわ」


ありがとう、と言って自分の前の席に座った。

...空気が重い。 いや、そんな事はない。

仙ちゃんから圧を感じるとかではなく、ただ

自分が気まずいというだけだ。

それがとても重く感じ、今にも潰れてしまいそうだ。


でも、謝らなければならない。 勝手に許可なしに

触れてしまった事。彼のことだ、あまり良い気分は

しなかっただろう。


重い口を開けて、「仙ちゃん」と呼ぶと「ん?」と

彼はこちらを見る。


「昨日のこと、その... ...ごめんなさい。

勝手に触ってしまって」


彼は不思議そうに「昨日..?」と言い、少し考えた後

「ああ、なるほど」と言い首を振った。


「全く気にしていないぞ? お前に触れられるのは

慣れているし、それに」


「それに?」と聞き返すと、彼は自分の髪を撫で

悪戯っぽい表情で、


「存外、信頼しているお前になら悪い気もしない。」

と言った。


ぽかん、とする自分を見て「冷めるぞ」と食事を

指差した。



「そうね、ありがとう」と返し、

「(本当、ずるい人)」と少し顔に熱を感じた。

仙ちゃん?→←寝顔



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(プロフ) - 続きが読みたいです…、何年でも待ちますから…!(泣) (2022年9月3日 0時) (レス) @page24 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
草餅 - MARIさん» 返信が遅くなり申し訳ありません( ; ; ) 頑張って更新します! (2018年1月18日 14時) (レス) id: 0c115415c6 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 続きが見たいDEATH!(忙しいんですかね) (2018年1月7日 12時) (レス) id: f2fb6e2bac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:草餅 | 作成日時:2017年11月1日 11時

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