【歌/い/手】 甘々な日を。

smsn ページ14

side 志麻
「＿遅い」

Crimeを結ぶ上での約束事のひとつ。


23:00を回る時は連絡すること。


俺としては22:00くらいにはしたかっのだがセンラさんはリーマン。何時に帰れるかなど分からないし残業や飲み会などで遅くなるのを制限する訳には行かない。

飲みに行く時は必ず連絡を入れてくれるし残業だってそうだ。
だとしたら、24:00を回った今連絡の一本も入っていないのはイレギュラーだ。

「お仕置きせな…」

先程まで96ちゃんとそらるさん、Tくんとゲーム配信をしていたので目は冴えていて眠くない。
センラさんが帰ってくるまで待つことにして、携帯をとってイヤホンを挿しアプリを開いた。

＿＿＿


「ただいま！」

ガタッとドアが開く音がしてドタドタと音がする。

「志麻くんほんまごめんなさい…」

リビングでスマホをいじる俺に謝罪して立ち尽くすセンラさんに「まぁ座り」と隣を進める。
イヤホンをとって視線を合わせずに言った声が自分でも低く聞こえ、センラさんが怯む気配がした。

「何で遅れたん」
「その、寝過ごしてまって」

寝過ごした…

「連絡できなかったん？」
「とにかく早く帰らなきゃって焦っちゃって…」

ごめんなさい、と再び謝って俯いた。

「事情はもう解ったけど、絶対連絡してや。」
「はい」

反省はしてるようだし、それより心配なのが、

「センラさん最近寝れてないん？」
「寝てますよ」
「寝れんくなったらいつでも来ていいんやからな」
「ありがとうございます…」

耳が少し赤いセンラさん。一時期酷い睡眠不足に悩まされ倒れたことがあるセンラさんだ、無理しいなのは知っている。

「明日も仕事やねんな？」
「今週は土曜まで仕事ですかね」
「じゃあ日曜までお仕置きは待ったる」

許したからと言ってお仕置きを辞めてあげるかといえばそうではない。どんな事情だろうが約束を破ったのはセンラさんだ。

「…はい…」



＿＿＿

「よう頑張れたな、久し振りやったし痛かったね？」
「うん…」
「ちゃんと耐えられてセンラさんは良い子やなぁ」
「センラ、いい子…」

俺の言葉を恐らくふわふわの意識の中で復唱するセンラさんはSubSpaceに入りかけている。
土曜日、仕事が終わってセンラさんは急いで帰ってきた。
夕方からお仕置きもどうかと思わないではなかったが早めに終わらせてゆっくりSubSpaceで溶かして一緒に寝たい。
普段帰宅時間が大きく違うことも多い俺らは睡眠時間の確保のため別部屋で寝ている。

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