#4【ある日1】 ページ5
風がカーテンを揺らし、夏の暑い日射しではない暖かな光が保健室を明るくしている。
その保健室の奥のベッドには女神と呼ばれる人物が横たわっている。
先程とはうって変わって穏やかな表情をしていた。
そんな彼女の横には見知らぬ人物が座っている。
その人物は彼女を慈しみの目で見ている。
彼は彼女が倒れたことを知ってここに来た。
彼は彼女の寝顔を見て、何かに苛立ちをした。
「……よくも……」
彼は皮肉な現実に苛立っていた。
しかしその感情とは裏腹に、彼には彼女に対する別の感情を持っている。
彼女に向ける視線がまさにそれだ。
彼が彼女の頬に触れようとした時、勢いよく保健室の扉が開いた。
「佐倉は居るか？」
落ち着いた声だった。情報通の彼は一瞬でその人物が澤田紺だと分かった。
彼は手を彼女の頬から離し、そのまま澤田を待った。
「先生は居ないよ。」
奥から声が聞こえた。佐倉以外にも人が居るのか。
俺はゆっくり近づく。が、ベッド同士のしきりまで近づいた時、向こうの方から声の持ち主が出て来た。
「……」
俺は躊躇してしまった。
相手は俺よりも背が高い。それに顔が非常に整っている。
そのせいか迫力を感じた。それに俺を睨んでいるみたいだ。
「睨んでないで名乗ったらどうだ。」
臆せず質問をする。すると、自らが睨んでいたことに気付いていなかったらしく、驚いた表情をした。
「ごめん。睨むつもりはなかった。」
「名前」
「……白尾 上野[はくび うえの]。同年代だ。」
同年代？こんな奴、見たことないぞ。
容姿がこれほどまでに整っている生徒なら人気者として目立つ筈だが、俺は今初めてこいつの存在を知った。
不登校という文字が頭をよぎる。
「俺は澤田紺だ。あんた、佐倉とどんな関係なんだ。」
そう言った時、その当人の声がした。
「ん……」
佐倉が目覚めたようだ。俺は目の前のこいつが気になるが、ひとまずは佐倉の保護を優先する。
白尾だか何だかの横を通り、佐倉の元へ向かう。
すれちがう時、なにかを言われた。だが、上手く聞き取れず俺はそれを無視した。
『関わってくるな』
上野はそう言った。
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革ベルト
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8
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西 - この方角に福があるはずです
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ボッチ猫=二人猫(プロフ) - 青りんごさん» 頑張ります！更新が遅れてしまうかもしれませんが、が、頑張ります！ (2016年12月10日 13時) (
レス) id: 4715a0d10f (このIDを非表示/違反報告)
青りんご - すごく面白いです！ 続きが楽しみです。これからも、頑張ってください！応援してます♪ (2016年12月6日 19時) (レス) id: d514a0beac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボッチ猫=二人猫 | 作成日時：2016年6月5日 13時
