#3【ある日1】 ページ4
「……！…くん！佐倉くん！」
「あ、はい！」
しまった。現実世界に戻っていたのか。しかも、少しタイムラグが発生している。
そのせいで教師が目の前に居て、私の名前を呼んでいた。
「本当に大丈夫か？最近は顔色も悪いし……」
「大丈夫ですよ。授業を進めてください。」
「…そうか？なら、テキスト45ページの五行目から朗読してくれ。」
私は席から立ち上がり、テキストを開く。
それを見た教師は元の位置に戻っていく。
ドサッ
教師の背後から人の倒れる音がした。
「だから言わんこっちゃない。」
忠告を守らなかった子供に呆れるように、男は言い放った。
「はぁっ？倒れたぁ！？」
「うん。」
人気のない空き教室で話す二人。一人は空中で逆さになっている。
「不幸狩りで倒れるなんて聞いたことねーぞ。」
驚きで呆れさえしているのは澤田紺。彼は机に体を預けて、もう一人を見上げている。
「俺は忠告したよ。うん、した。」
悪びれもなく自らを無実だと言い張るマンディ。その表情は紺には見えない。
マンディの言葉に問いがくる。
「だけどよ、忠告を受けても尚、なんでそんなに急いで不幸狩りをするんだよ？
まぁ、くそやろうの忠告なんざ俺だったら無視するけどな。」
「あ、そ。」
軽く受け流す彼は、紺から見てもいつもより暗く思える。
「(こいつ、こんなにしんみりする奴だったか？)」
紺は質問を変えた。
「で、佐倉は今どこに居るんだ？」
「保健室。」
「……なんでお前はここに居んだよ。いつも一緒なんだからみてやればいいのによ。」
「なんで？」
は？え、こいつなんて言った？
「いやだから、なんで一緒に居ないのかって。」
「なんで？」
大丈夫かこいつ。さっきから単調な言葉しか出てこない。いつも饒舌な癖に。
もうこれ以上は聞くまいと、紺は身を翻してマンディに背を向けた。
「しょうがないから俺が見てくる。」
「なんで？」
「っ〜〜！うるっせぇ！」
そう言いはなって、紺は空き教室を乱暴にドアを開け広げて出ていった。
残った一人はため息をついて地表に足をつけた。
「あいつが居るからだよ……」
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西 - この方角に福があるはずです
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ボッチ猫=二人猫(プロフ) - 青りんごさん» 頑張ります！更新が遅れてしまうかもしれませんが、が、頑張ります！ (2016年12月10日 13時) (
レス) id: 4715a0d10f (このIDを非表示/違反報告)
青りんご - すごく面白いです！ 続きが楽しみです。これからも、頑張ってください！応援してます♪ (2016年12月6日 19時) (レス) id: d514a0beac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボッチ猫=二人猫 | 作成日時：2016年6月5日 13時
