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#10【お気に入り】 ページ11

「所持品?」
所持品って、鞄とかスマホとかのこと?
私は疑問を視線で投げかける。

その疑問に答えるように今度はウェンズディさんが身振りを加えて説明し始める。

「所持品って紺は言ってるけど、実際は能力とか催眠術みたいなもんなんだ。なんでそんなもの持ってるのか。それは、少しでも俺達と……君達との契約をやり易くするためだ。」

私と澤田さんを交互に指差す。

話の内容を理解した私はそれでもよく分からなかった。だって私はマンディに催眠術をかけられた覚えは無いし、何故催眠術をかけることが[再成]達の利点になるのか想像もつかない。

「あの……私はそのアビリティとやらにかかっているんですか?」
「ああ。多分3つ程な。」

え、今なんて言いました?

「み、3つ!?そんなに私かかっていたんですか!?」
「お、落ち着いて。大丈夫だから、身体に影響は無いし、ね?」
「ありありだろうが、嘘つき。」
「いや、だって……」

すると澤田さんはベンチから立ち上がって私と向き合った。

「大体、不幸狩りで倒れる程自分の体を酷使してるくせに文句を言うのは違うだろ。」
「あ、そうだった。」

あははとウェンズディさんが笑った。澤田さんもなんだか呆れている。なんか、私がまぬけみたいじゃないか!

「そうかそうか。そんなに不幸狩りに熱心ならこの話を聞いても大丈夫そうだ。」

私はウェンズディさんの方に向き直る。

「アビリティは君達への脅しだ。リピーターにならなければお前を酷い目に合わす。とね。」

「脅し…」
近くの子供達の笑い声や車の走る音が一瞬止まった。

「俺達の仕事はリピーターとの関係を良くすることじゃない。リピーターを増やすことだ。すると、このアビリティは俺達に都合のいい物になるってことなんだ。」


私の部屋への侵入、私への挑発、私の本音……
私が初めてマンディと会ったときを思い出す。そうだ。あの時は何故だか敬語も何も関係無しに自分の本音を打ち明けていた。あれは感情の乱れじゃなかったのか。

そう考えると全てがすとん。と府に落ちた。

「さらに言うと、俺達はアビリティを縄張りとして扱ってる。一人の人に複数のアビリティが同時にかかると精神が壊れてしまうから。」

マンディとサースディさんが出会った時、サースディさんに対してキツい態度を取らなかった私を見たマンディは確か『よくも人の物を……』と怒っていた。

「そうか、そうだったんですね。」

#11【お試し】→←#9【ウェンズディ】


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西 - この方角に福があるはずです


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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ボッチ猫=二人猫(プロフ) - 青りんごさん» 頑張ります!更新が遅れてしまうかもしれませんが、が、頑張ります! (2016年12月10日 13時) (レス) id: 4715a0d10f (このIDを非表示/違反報告)
青りんご - すごく面白いです! 続きが楽しみです。これからも、頑張ってください!応援してます♪ (2016年12月6日 19時) (レス) id: d514a0beac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ボッチ猫=二人猫 | 作成日時:2016年6月5日 13時

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