3話−秋桜− ページ4
『はあと』『きんぐ』
アイリスさんのカードには確かにそう書いてあった。
「秋桜のトランプのマークはなんだった？」
アイリスさんにそう聞かれ、俯き震えた声で答えた。
「だいや....でした。」
どうしよう.....。
アイリスさんと離ればなれになっちゃう....。
また....あの時みたいになったら....
と、過去のいじめられていた自分の事が頭の中で浮かんだ。私はブルブルと震えながら、俯いた。
そんな私のことを見ていたアイリスさんは気を使って私の肩を両手で抑えて言った。
「大丈夫。たった四つの儀式をクリアすればいいのよ。秋桜がクリアするまで私も待ってるわ。」
そう言った、アイリスさんの表情も少し怯えているのが分かり、なんだか申し訳なくなってしまった。
アイリスさん....。
「うん...ありがとう。最後まで頑張ってみます。」
これ以上、心配させる訳にはいけないと思い、不器用な笑顔をつくってそう言ってみせた。
それを確認したアイリスさんは安心した様子で辺りをキョロキョロと見渡し、一人の女の人のところへと歩いて行った。
「すみません、貴方のマークを聞きたいのだけれどいい？」
「おれの？おれのはねぇ〜だいや、だよ？」
すると、アイリスさんは私に手招きをし、こっちに来るようにと言った。
「この子もだいやだから一緒にいて貰えると嬉しいのだけど、いいかしら？」
どうやら、私の為に同じマークの人を探してくれたらしかった。
私はそう言ったアイリスさんの言葉の返事をドキドキしながら待った。
「もちろん。よろしくね。」
一瞬、その笑顔に涙が出そうになりながらも、私も挨拶を返した。
「よ、よろしく.....お願いします....。」
そのまま私はアイリスさんと別れて、この人と私の2人がこの場に残された。
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作者名：抹茶 x他2人 | 作成日時：2018年9月7日 23時
