条理 ページ22
ｹﾞﾝｽｲ(おかしい、何故だ！？
今までどんな傷を負ってきても流れていたはずの
血が出てこない…だと！？)
ｹｰﾀ「あ、あれ？
黄泉ゲンスイから血が出ていない？」
ｳｨｽﾊﾟｰ「た、たしか甲冑の胸元あたりに剣が突き刺さったはずなのに…！」
ﾓﾙｶﾞﾝ「当たり前です。」
ｹｰﾀ「どういうこと！？」
ﾓﾙｶﾞﾝ「この常世の国に血などという不浄なものは忌むべきもの。
だからこそこの国では血を流すことがないのです。」
ｳｨｽﾊﾟｰ「ということは彼は」
ｹｰﾀ「よ、よかったのかな？」
ﾓﾙｶﾞﾝ「何を安心しているのです？
ただこの国では目に映らないだけですよ？」
ｹｰﾀ「えっ！？」
ｳｨｽﾊﾟｰ「ま、待ってくださいそれじゃあ…
目に見えないだけで、今黄泉ゲンスイはかなりの血を流している可能性があるということですか！？」
ﾓﾙｶﾞﾝ「フッ、あははははは！
その通り！
命がすり減っていくのを誰にも気づかれない！
気づいたときにはこの国の民になるでしょう…」
ｹｰﾀ「なっ！？
ど、どうしよう…誰か回復ができそうな……
そうだ！
オレのともだち 出てこい！キズナース！！」
だが妖怪ウォッチにメダルを入れたところで何の反応も出なかった。
この感覚は6つの黄泉姫関係のメダルが何の反応も示さなかったときと似ている。
ｹｰﾀ「え…そんな……」
ｳｨｽﾊﾟｰ「やはり黄泉の国と似たような感覚なのでしょうか？
生きている妖怪は入れない…」
ｹｰﾀ「え、えぇ そんなぁ…」
ザッ…
ザッ……
ｳｨｽﾊﾟｰ「……！
ケータ君！！後ろ！後ろ！」
ｹｰﾀ「えっ？
うわっ！」
ウィスパーが危険を知らせた時にはすでに遅く、ケータよりもはるかに背丈のある黄泉王がケータを片手で持ち上げていた。
それを見た赤と白、武者の妖怪達は焦る。
ｼﾞﾊﾞﾆｬﾝ「ケータをはなせー！！」
ｳｨｽﾊﾟｰ「何やってるんですか貴方！」
ｹﾞﾝｽｲ「やめろ…姫……！」
『うるさい妖達…』
ｹｰﾀ「よ、黄泉さん……！
は、はなして…！」
『最初からこうすればよかった。』
ｹｰﾀ「え？」
『最初から妖三体を引き連れて来たお前を現世に送り返しておけば妖怪共も帰った。
妖怪を呼ぼうとする不愉快なお前を…！
さすればお母様も乱心しなかった…！』
ｹｰﾀ「えぇっ！？」
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2018年6月20日 17時
