四十九輪 ページ49
『いつの間にこんな量の薔薇を…』
来訪時、通り抜けて来た薔薇のアーチには幾重にもわたる蔓や棘、薔薇の花で覆われた凶器に変わっていた。
遠山「これは無理やり通るなら棘で血まみれになるのを覚悟した方がいいようだ」
『!』
遠山「最も…
ファイヤーマジックが得意な貴方ならライターの一本くらいは持っていそうですが」
『なっ!?
馬鹿なこと言わないで!
青薔薇の披露会場に火なんて持ち込むわけないでしょ!
大火災になるし放火よ!』
白樹「!」
佐久羅「!」
春風「!」
月詠「!」
毛利「!」
禅田「!」
祭沢「!」
八重姫「!」
え…?
なんでみんな私のこと凄い目で見てくるの?
そして私がみんなから白い目を浴びている間聞こえてくる何かを潰そうとしている音は一体…
「ぐっ…
ぐほっ…!」
『えっ?』
八重姫「きゃああ!!」
禅田「な…何!?」
金「小金井さん!」
『小金井さん!?』
遠山「2人ともやめたほうがいい」
金「えっ?」
遠山「毒です」
金「毒!?」
遠山「このアーチを埋め尽くす薔薇の棘にはおそらく引っ掻いただけで死に至る猛毒が塗られています」
『えっ…!?
そ、それじゃあ小金井さんは…』
八重姫「死んだの…?」
遠山「やれやれ
これでは外に出ることはできませんね」
祭沢「ま、待ってくれ
このアーチからじゃなくても周りの薔薇の垣根をどこでも突破すれば…」
遠山「試してみますか?
祭沢さん」
招待状に書いてあった毒薔薇の棘ってこのことだったのか…
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時