四十七輪 ページ47
金「二重底っていっても本当に底が二重になってるんじゃない
この場合…」
金田一君がクロッシュの奥の壁を数回ノックしてから今度は握り拳で一発壁を叩くと壁は簡単に倒れて地下一階ダムウェイターに入れたはずの白薔薇が姿を現した。
金「毛利さんは温めたローストチキンをダムウェイターに入れ地下へと下ろした
しかし地下では反対側が開くため仕切りの奥に置かれていた死体を取り出してしまったってわけさ」
遠山「マジックとしては基本中の基本
非常に単純です
しかしこの仕組みに気づかないという事はあなたは最近ここで働き始めたようですね
違いますか？」
毛利「え…ええ…
実は私も昨夜呼ばれて来たばかりで…」
遠山「やはりそうですか」
春風「なるほど
館に来てから1日経ったくらいではダムウェイターの奥行きを完璧に把握できていなくてもなんら不思議ではないな」
遠山「それも織り込み済みのこけおどしマジックですよ」
祭沢「なんてこった…」
毛利「これで私の疑いは晴れたというわけですね」
遠山「それは違います」
毛利「え？」
遠山「たった今証明されたのは毛利さんの無実ではなくこのトリックが誰にでも出来たという事実にすぎません
つまりここにいる誰もが容疑者というわけですよ！」
再度トラウマ植え付けられた後に容疑者扱いされる地獄になんと名をつけるべきか…
月読「咲いた薔薇と二つの蕾…」
『？』
月読「花言葉は“永遠の秘密”
そして黒い薔薇の花言葉は“死ぬまで憎む” ”復讐の亡霊”…」
お誂え向きすぎる花言葉攻撃は切実にやめていただきたい
月読「黒い薔薇よ 二つの蕾よ その饒舌なる沈黙よ
願わくばこの場にて我らの秘めたる罪を明かしたまえ…！」
なんだ…？
なぜこんな時に死体に添えられた黒薔薇を参加者全員に向けるんだ…？
小金井「や、やめろ〜！！」
『！？』
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年8月25日 16時
