四十四輪 ページ44
ルフェ「ね、ねぇA
あなた この死体になった人を知っているの?」
『えっ…誰?』
ルフェ「そう…
ならいいわ」
『えっ?
どういうこと?』
このバラバラ死体がただの演出だったのならまだしも、ルフェちゃんのこの言い方からして、生きていた人間であることは間違いないようだった。
遠山「小金井さん以外にもこの人をご存知の方がいらっしゃいますね?
もしよく思い出せないようでしたら…
どうぞお近くで確かめられてはいかがでしょう?」
禅田「やめてっ!」
小金井「ひぃっ!」
『何やってるのあの人…』
ルフェ「知らない人の生首持ち歩けるなんて…
凄い度胸の持ち主ね」
凄い度胸どころか人間性を疑われる行為です
禅田「その人は皇 翔
皇生花チェーンの社長で…
私の知り合いだった人よ!」
遠山「なるほど 大手生花チェーンの社長さんでしたか
ところでお気づきの方もいらっしゃるでしょうがこの黒い薔薇は染められた生花です
しかも被害者の首には防腐処理…
エンバーミングが施されている」
だから異臭が何一つとしてしなかったのか…
遠山「この処理に使われている薬品はプリザーブドフラワーと同じもののようですね」
『!?』
待って
この流れでいくと…
祭沢「プリザーブドフラワー!?」
禅田「まさか…!!」
白樹「プリザーブドフラワーは特殊な薬品を使うわ
専門的な知識を持っている人が使用しないと危険よ」
禅田「そ…そうよ!
人間をプリザーブド出来るような薬品や道具を持っているのはプリザーブドフラワーアーティストの冬野さんしかいないわ!」
『待って!
お姉ちゃんはこんなことしない!
それにこんなことのために薬品を使ったりなんてしないわ!!』
禅田「お姉ちゃん!?」
祭沢「あなた達姉妹だったんですか…!?」
美雪「ええっ!?
Aちゃんの年の離れたお姉さんが冬野さん!?」
『えぇ
そしてもう一つ
お姉ちゃんがこんな酷い殺し方をしない根拠はあります』
禅田「根拠?」
『私の父は…
殺されてからバラバラに解体されたんです』
禅田「なっ!?
じょ、冗談はよして!」
『冗談ならどれほどよかったことか…
この皇さんのようにバラバラ死体にされた妹を持つ姉が…
似たような真似をすると思いますか?』
禅田「っ……」
白樹「あ、朝雲さん
それってどういう…」
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時